「ねぇ、駿太君。どうする気なの」
開口一番、エリカが言った。
「ちょ・・ちょっと・・ちょっと待って」
私はあわてて口を封じようとした。
エリカってこんな積極的な子だったっけ?
私は目を白黒させた。
「どうって・・?」
駿太君はおどおどしている。
「ごはんが駿太君のこと、好きだっていってんのよ。
もうすぐ卒業でしょ。
それに駿太君、引っ越ししてどこか行っちゃうんでしょ。」
エリカが矢継ぎ早に問う。
「好きだよ・・」
駿太君がそういうと、
エリカの顔が一瞬ぽあっと赤くなったのを
私は見逃さなかった。
「だ・・だれのことよ・・」エリカが問う。
「ごはん・・ちゃん・・」
私は体の奥がじゅわっと熱くなるのを感じた。
くるっと
ふりかえって駆けだすエリカ。
それを追うサナ。
ドラマの
一場面のような状況に置かれた。
「あ・・あの・・」
なんて言葉をつないでいったらいいかわからない。」
「手紙・・書くよ」
駿太君が沈黙を破った。
ポケットからメモ帳を取り出して
さらさらと何か書いて手渡してくれた。
「住所わかんないから・・これ・・電話番号」
「電話番号・・って・・これ、今の電話でしょ?
引っ越ししたら他府県に行くんだから変わるんじゃ・・」
「あ・・・そっか・・」
二人で笑い合った。
「サイン帳回すから。
その時までに住所調べて、そこに書いて」
「うん」

私と駿太君は何事もなかったかのように、
別のルートを通って教室に戻った。