「えーっ!そーなの?!」
「何、サナエ知らないの?アンタ、
そんなことも・・」
瑞希が半ばあきれたように言う。
「深見さんとの仲を支店長から言われたから、
それで泣いてんの~?」
すごく純粋だけど、
なんだかそれだけじゃあないような気がする。

「ま、お子チャマはかかわらないことね」
ミツエが冷たく言い放つ。
その横顔を見つめる瑞希の視線の意味を
その時の私はわからなかった。

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

秋の風を運んでくるという季節、
季節外れの人事異動が発令された。

用水原支店長は筆頭に書かれていた。
東京支店だという。

「やー、かなんわー。東京やなんて・・」
大声で言い放つ姿には、誇らしさが漂っている。

ー東京・・か。

サナエはこれをきっかけに、
セクハラ支店長とは
縁が切れる。
もうくだらないことに悩まなくても済むんだと
胸をなでおろした。
だがその胸の中身は喜びばかりではなかった。

なぜかその奥底に沈みこむものがあった。


ピンクセラムな夜