経理の金井静香がそっと肩に手をまわし、ポンポンと
叩きながらなぐさめている。
視線はあくまで芝野葵のほうで、
支店長は眼中にはない。
その代わりに私がヤツをキッとにらみつけてやった。
芝野の泣きは嗚咽へと変わり、金井静香に肩を抱かれたまま、
二人は部屋を出ていった。
後に残る気まずーい、この雰囲気。
瑞希は場をつなぐようにビールを飲み干した。
「どーしたんだろ・・どーしたん・・芝野・・」
私はささやくような声で助けを求めるように瑞希を見た。
何か言葉を発しなければこの場にいることさえ
苦痛なのだ。
瑞希は無言でうなずいているが
聞こえないふりをしている。
「おい!サナエ。お前もあかんぞ、お前もー」

目が座った支店長が私を下から目線でにらんでる。

あのー。お前なんて呼ばれる筋合いないんですけど・・?


ピンクセラムな夜