7月10日(水)
私は日々の生活を
どことなく、地に足のついてないフワフワした
状態で送っていた。
頭の中には常にケースケの存在があり、
いつもいつもケースケの言葉を反芻していた。
好きだよ、とか愛してるよ、とか
君はそのままでいいよ、とか
ありのままの自分を受け入れてくれることが
これほど心地いいことであることを
何十年ぶりに味わっていた。
ケースケは私が何をどうやっても
全て受け入れてくれる。
私の存在そのものを大切にしてくれる人。
そんな人がいるということで
自分がかけがえのない存在だということに
気づかされた。

いつもいつも
生活に振り回され必死だった。
そのくせ、それは報われず。
私の言動は否定され、
何をやっても、やってあたりまえ、
やらなければ言葉の刃が容赦なく突き刺さってきた。

それがケースケとの時間は
ほんとうに心地いい。

人はきっと
「そんなの一緒にいる時間が短いんだから、あたりまえ。
その時だけいい顔しておけばいいんだから、簡単」
というだろう。
確かにそう。
生活を共にしてて毎日甘い言葉ばかり言ってられない。

そんなことは私だってわかってる。

世間から見たら
私はただの不倫女。
世の中の女たちからの一番の嫌われ者で
最大の敵。
不倫してる奴なんてこの世から消えてほしい、
女じゃない、なんて
きっと思われてるだろう。

でも、そんなこと言ってる側の人も
ふとしたきっかけで
言われる側になってしまうのだよ。
この私がそうであるように。

今日だって突然加奈子が電話をかけてきた。

「目をさませ!」だの、
「あなたは間違ってる」だの、
散々説教された。


ピンクセラムな夜