だけど、両親が克弘のこと見て
なんて思うだろうなー・・
一抹の不安が私をよぎる。
それはそれで、私が好きになった人だから。と
認めてくれるだろうか。
日曜日。
ちょうどその日母の日であったので、
克弘はカーネーションの鉢植えと、バームクーヘンを持って私の家にきた。
母は花を見て、大喜び。
一気にテンションがあがっていた。
「まぁーキレイなカーネーション。ありがとう」
しかし、父はもらったバームクーヘンの箱をそのまま
克弘の胸に押し返した。
それが、父の答えだった。
せめてもの救いは、克弘の目の前で苦言を口にしなかったことだ。
そんなテレビドラマみたいなことがあったら、
私はいたたまれない。
帰る道すがら、
バームクーヘンの箱が入った紙袋を持つ
克弘がひどくみじめにみえた。
いつものカッコイイ克弘じゃなかった。
カーネーションだけは、
母が気にいっててばなさず、
「せっかくいただいたんだから」と
さっそく窓辺に飾っていたのでそのまま置いてきた。
あのままずっと咲き続けてくれればいいな。
庭に植えかえたほうがいいかも。
そんなことも頭の片隅で考える。
私はまだ事を深刻に考えていなかった。
こうなることは
予想してたことだし。
だから、
克弘にこれから、どうする?と
聞いた時もごく軽いきもちだったのだ。
なのに、克弘は遠い目をした。
その目はいつもの深いブラウンにやや青みがかって見えた。
「俺・・いったん、いなかに帰るわ。
四国におやじが一人で住んでて。
墓参りもそう言えば、長いこといってないし」
そんな決断って今、突然ここでするの。

