「お前さ・・まだ女の悦びって知らないだろ?」
私の枕元の右横で
唐突に克弘が言う。
お前って呼ばれたことも初めてだし、
そのことにもドキっとしたけど、
女のヨロコビって・・・?
「まだ、心も体も解放されてない、ってことだよ」
克弘は裸の腕を伸ばしてきた。
腋から甘い香りが漂ってくる。
「そう・・かな・・」
「心のどっかに、まだなんかためらいがあって、
もうひとつのドアが閉じられたまま」
「・・・・」
「そのドアがあいたときはすげーぜ~
新しい世界がっ!!
俺がその扉をあけてやる」

ーえっ・・なんか、コワイ気がする。
「あ、あのさー。
私の友達のお姉ちゃん、
結婚して子供産んだら格段に良くなった、って言ってたよ」
ごまかすように早口で一気にしゃべった。
「子ども産んでからなんて、おせーんだよ。」
そう言って、再び克弘は私の上にのしかかってきた。

ピンクセラムな夜