12月24日。
世間的にはクリスマスイブ。
でも、私には関係ない・・
ピンポーン・・インターホンが鳴った。
「お届けものでーす。田原園芸です」
タハラ・・園芸?
ドアを開けるとトラックがとまっていた。
「ポインセチアのお届けです。
どこに置きましょうか?」
手渡された伝票には、
「ポインセチア100鉢」と
書かれている。
ポインセチア・・100?
送り主は・・
藤枝広介、となっている。
その文字だけ浮かんで私の胸に飛び込んできた。
私はそっとその文字の上を人差し指でなぞった。
助手席から、もう一人男性が降りてきて
手早く段ボールケースを降ろし始めた。
ケースの上半分は、切り取られていて
中には色とりどりのポインセチアがぎっしり。
真っ赤なもの、金色にフチ取りされたもの、
葉っぱがラメ色にキラキラしているもの。
私はそれらをとりあえず、玄関に運び込んでもらった。
「なぁに?優梨絵ちゃん・・」
お母さんがでてきて
大量のポインセチアを見て、感嘆の声を上げる。
玄関はすぐにいっぱいになり、まるで
火事のバケツリレーのように
私と母は、玄関からリビングまでの間を
せっせと往復して運び入れた。
「ありがとうございましたー」
キャップを反対側にかぶった
配達員は軽く脱ぐそぶりをして
一礼して帰っていった。
私はリビングに運び込まれたポインセチアを
部屋中いたるところに
並べ、
もうこれ以上無理というところまできて、
残りは自分の部屋へ。
「お母さんたちの寝室もどう?」
と母の部屋にまで運び込んだ。
100本のバラをお誕生日にいただいた、というのは
聞いたことあるけど、
100鉢のポインセチアなんて。。
うれしいような、
半ばあきれたような気持ちで
壮大なポインセチア群をながめる。
いったい、どういう気持ちでこれを・・・
ピンポーン・・再びインターホンが鳴った。
「あ、すみませーん。さっきの花屋です。
一つ、忘れてました」
再びドアを開けると、
ゴールドクレストの鉢をもった
お兄さんがいた。


