「ほんとに体だけのことで
ひっかかってる?」
奈緒美さんが言う。
「うーん・・それだけじゃないんだけど・・」
私は本音が言えないでいる。
「結婚したら、何百回、何千回、何万回、と
できるんだよ。その中でお互い研究してけばいいじゃん」
心愛の平成発言に面喰う。
何千回、何万回・・て・・
思わず両親の姿がだぶる。
ああ、私の親も・・何万回?グエッ・・
ダメだ・・
色ごとに親は結びつかない。
ソーゾーしただけで・・
想像に耐えない。
「とにかく、今度藤枝君。
家にくるんでしょ。」
「がんばって!」
私は皆からの激励のシャワーを浴びた。
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
両親との面会、
あいさつも無事滞りなく終わった。
その日、藤枝君はグレーではなく、紺のスーツで
感じよく、
親への対応も如才なく、そつがなく
非常に好印象だった。
「また今度・・俺の家にもきて、親に会ってくれよ」
その言葉をどこか遠い気持ちで聞きながら、
自分のこととは思えないでいた。

