「ねえ。席替えしましょうよ。」
ビールもお代わりし、
ある程度落ち着いたところで
心愛が提案した。
今の状態だと、男性4人と女性4人が向かい合って座っているだけだ。

「あみだくじ作ろう」
結菜がバッグからメモを取り出し、
手慣れた様子で作り始めた。

私は、最初指先がほんの少し触れあってしまった
藤枝君という
グレースーツの彼と、
黒のダウンジャケットを
着ている磯ヶ谷君の間に挟まれた。

磯ヶ谷君の隣には、
清楚な蘭子が座った。


私の向かい側は心愛。
その横はスタジャンの彼で
名前は
京極秀俊というらしい。

またまた見た目にそぐわない芸能人のような名前だ。
その隣に結菜、
結菜の隣は、からし色のジャケットを着こなしていた
日下部(くさかべ)君だ。

私はグレースーツの彼と思いのほか
話が弾んだ。
グレーのスーツなんて
センス悪い・・若いのに・・と
思ったのだが、
話し始めると彼の瞳がブルーグレーなことに気がつき、
それがスーツの色とひどくよくマッチしたのだった。
彼の瞳を見つめながら話ししていると
吸いこまれそうであった。


心愛がめざとくその様子をキャッチし、
「優梨絵先パイー。いい感じじゃないですか?
ところで、藤枝さん。カラコンしてるんですか?」
またぶしつけに聞いてきた。
「えっ?あー違いますよ・・そんな・・」
あわててはにかむように手をふる藤枝君を
私は好ましいと思った。
「そーだよね。男がカラコンなんてねー。」
心愛は、もうそんなことはどうでもいいと
いわんばかりに
スタジャン姿の京極君と
盛り上がり始めた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「じゃあねー。私達はここで・・」
お会計を済ませ、店の外に出ると
心愛は当然のようにあっさりと
京極君とうでを組んで
夜の闇へと消えて行った。


ピンクセラムな夜