「二人とも好きなんてありえないっ!」
俺は姉貴の言葉に釣り上げられた魚のように背骨がビクッとはねあがった。
姉貴はテレビに向かって、
二股騒動を起こしている砂糖谷翔に叫んでいたのだった。
「ホント呆れるよね~
二人とも同じくらい好きなんて・・」
―いいや、俺はわかる。わかるよ、砂糖谷君。
君の気持ちが・・
俺は不肖にも実際には年上である
タレントの砂糖谷君に心から同情申し上げた。
「自分で二股おこして泣いてるってどうゆうこと?
意味わかんない・・
自分が悪いんじゃないっ!」
姉貴はまだブツブツ言っている。
―違うんだよ。姉貴。あの涙は・・
男は言うに言えない心の底に抱えた
気持ちがあるんだよ。
でも、それは今は世間に対して言えない。
言えないもどかしさ、悔しさ。
あー女にはわかんないんだろうなー。
俺は、二人を選べないもどかしさ、
自分の優柔不断さを憂える一方で、
多少の優越感も感じていた。
どっちかを選ばなきゃなんないのか?
選ぶ必要とかあんだろか?

