俺は先生の部屋でひたすら家具を組み立てた。
「ありがと!」
先生はほっぺに軽くチュ!としてくれた。
ー吹井拓海16歳の秋だった。

それから先生は、あっけないくらい
学校では全くの知らん顔を決め込んでいた。
他の生徒たちと同様の扱いで
ーそれは、あたりまえすぎるくらいあたりまえなことで、
そんなことはわかりきっている、と頭ではおもっているのに。-

しかし俺はそっけなくされるたびに
ジリジリとした。


先生からは、時々メールがきたが、
それも拍子抜けするくらいのあっさりした
ものだった。

「寒くなってきたので豚まん食べました」だの、
「去年着ていたコートを出しました」だの
日常の日記のようなメールを一方的に送ってくる。
しかし、それに俺が返信しても
先生からは何の音沙汰もない。

「先生、メールのルール。知らないんじゃないの?」
思わずそう書いてやったら、
5時間くらいたってから、『ルールって何?』
とかえってきた。
その間、ずっと俺は携帯片手にテレビを見、
風呂に入る時も脱衣所に携帯置いて
音がなるたび、確認しにいっていたというのに。
返信はしないでおいてやった。


ピンクセラムな夜