暗闇の中でうごめくそれは
タバコとお酒のにおいを吐き出しながら、
ゴツゴツとした指をのばしてきた。ふしくれだった
真っ黒な指、
いくら洗っても落ちない油で汚れた指。
私はその日から油まみれの真っ黒な指が大嫌いになった。

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母ちゃんに「あのこと」を言おうかどうしようかずっと迷った。
「母ちゃん、あのね・・」
台所仕事をしている母ちゃんの背中に
おそるおそる話しかけた。
「母ちゃん、この間父ちゃんがな・・」
母ちゃんは包丁で大根を切っていた。
「父ちゃんがな。こないだサホのふとんに入ってきよって・・」
母ちゃんの背中が震えていた。
くるっと振り返ったかと思ったら、包丁をにぎりしめたまま、
私を強い光で見た。
殺される!瞬間的に私はそう思った。
「サホ。母ちゃんが守ってやるけんね。ずっと・・ずっと・・。
安心しよったらええ。」
母ちゃんは背中をゆっくりさすってくれた。
「けど、そのことはもうこことで終わりにしんさい。
誰にもゆうたらいかんがいね」


毒吐き女の時々ゆったりひとりごとブログ