当日、避難所の体育館はいろんな年齢層の人たちでいっぱいだった。
私たちは、まず体育館の外で音合わせをした。
先生が「花」の出だし部分、春のうらら~の、最初のソの音を
「んー」という音程で出し、その音に私たちも合わせた。
体育館にはピアノも何もないので、アカペラで歌わなくてはいけない。
初めての無伴奏だ。
外で練習していると、小学3.4年生くらいと思われる女の子が
こちらをじっと見ていた。
先生が声をかけにいったら、
「一緒に歌いたい」といったらしく、
急きょその子に歌詞を書いた紙を渡し、一緒に歌うことになった。
舞台に上がった。
みんなザワザワしている。
寝ている人、何か食べている人、走り回る子どもたち。
そんな中、
再び
「んー」という音を出して合わせ
「花」を歌い始めた。
しだいに静かになっていく。
歌い終わるとパラパラと拍手があった。
次は「ふるさと」
志を果たして
いつの日にか帰らん・・
歌いながらふと目に入った。
背中をまるめて座っていたおばあちゃんが
指で涙をぬぐっていた。
忘れがたきふるさと・・
最後は大きな拍手をもらった。
立ったまま聞いてくれて拍手をしてくれてる。
この歌はうさぎを食べてしまう歌かとおもってたくらいの
私だったのに。
最後は「手紙」
ああ負けないで泣かないで
消えてしまいそうな時は
自分の声を信じ歩けばいいの
いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど
笑顔を見せて
今を生きていこう
今を生きていこう

