また九鬼君を見てしまう。
気がついたら九鬼君の姿を目で追っかけてしまう。
体育のハーフパンツが
見え隠れするひざの部分に
バンドエイドを発見した。
ケガでもしたんだろうか。どこかで
転んですりむいたのだろうか。
あーあんまり見てばかりいると
私が九鬼君のこと好きなきもち、他の人にわかってしまうかも。
その前によそ見してると
先生に怒られるかも。
もう見ないでいよう。
ところが大変なことが起きた。
歌の後半、
♪グリーングリーン
青空には太陽笑い・・
のところで2つの輪をひとつにしていきましょう、というのだ。
「えっ。どれとどれをひとつにするの」
私は内心焦った。
輪の組み合わせによって
九鬼君と同じ輪になれるかもしれないのだ。
しかも、同じ輪になるということは
手をつなげる可能性が出てくるのだ。
おゆうぎを指導している谷岡先生は
各クラスをひとつづつ回って
「この輪とこの輪ね」と決めていった。
私は心の中のたまった砂が
砂嵐になって舞い上がるほどドキドキしながら
その時を待った。

