「お母さん、私もスポーツ少年団のテニスやりたい」
夕食後、片づけしているお母さんに話しかけると
「えっ・・?テニス?何、それ」
お母さんは眉間にしわを寄せた。
「みっちゃんが今度はじめるんだって。
だから私もやってみたいなぁ~・・て・・」
実はお母さんの返事はだいたい想像がついていた。
しかし、私は子どもなのだから
親の援助なしでは何も始められない。
「ダメよ、あんたは」
やっぱり・・そうくると思った・・
「幼稚園の頃から習ってたピアノ、
去年やめちゃって・・どうすんの、この物置ピアノ」
確かに・・
ピアノって習わなくなると途端に弾かなくなる。
そして、ちょっとだけ置かせてもらおう。。と
ピアノの上に読みかけの本、雑誌。
帰ってきたらピアノのイスのうえに手提げ置いたり。
ふと見るとお父さんのジャンパーまでかけたのは一体誰だ。
すっかり物置化してる。
「クリスマスにウサギが欲しい、なんて
突然言い出して・・絶対世話するなんて言っときながら・・
結局1カ月も続かなかったでしょ、あとは全部お母さんの役目」
お母さんは過去を思い出しのか、
怒りを茶碗にぶつけながら洗い物を始めた。
はぁ~・・そうでした・・
しかし・・
しかしだ・・
子どもにはどんな可能性があるのかわからない。
ピアノとウサギの世話には能力を発揮できなかった私だが
テニスにはどんな未知数が秘められてるのかわからない。
しかし、それを言いだす勇気は私には・・ない。
(@ ̄ρ ̄@)zzzz
「そりゃ~ダメだよ、ハルちゃん」
お母さんとの一部始終をみっちゃんに話すと
同じように一蹴された。
「でもさ・・もしかして。
クルム伊達みたいになれる可能性の芽を。
ここでつぶしてしまうかもしれないんだよ」
みっちゃんは軽く笑って、
「その可能性は私がいただきます」
でもさ・・とみっちゃんは続けて、
「今度スポーツ少年団のプリントもらってきてあげるよ。
他にもいろんなスポーツとかサークルみたいなのとかあるんだよ。
ハルにあうのもあるかもしれないよ。
なんせ、せっかくの子ども時代!何かしないことにはもったいないよ」

