「蓮・・自分で自分のこと・・好き?」
信号が赤になった。
蓮は何も言わず、じっと前を見ている。
「自分で自分のこと好きじゃなかったら、
誰が自分のこと好きなの?
自分のこと好きでない人間が
他の誰かから好かれるわけないよ。」
車は高速に入って行った。
「私は、蓮のこと好きだよ。
世界中で一番好き。
世界中の誰よりも。
もし、世界中の人間が蓮のこと嫌ったとしても私だけは好き。
もし・・もし・・蓮が
世界中の人間から
後ろ指さされるようなことがあったとしても・・
私はどこまでいっても、
絶対蓮の味方。」
私は息を大きく吸い込んだ。
「私以上に蓮のこと好きな人は
もう絶対現れないよ!」
涙声になっていた。
蓮はチラと私を見て
また視線を戻した。
「同情はいらないんだよ」
窓を開けてタバコに火をつけ始める蓮。
「同情なんかじゃない!」
「俺・・自分のこと好きじゃないかもな。
自分の過去を消したくて消したくて・・
でも、そうやってるうちに
自分自身のことを消してしまいたくなってくるときがあったよ。
でも、こんな俺でもりりこのことは好きだよ」
「こんな・・ていうなよ。
蓮のこと好きな私に失礼だろ」
私は蓮のほっぺをつっついてやった。
でも・・
蓮の瞳はまた
遠くを見ていた。
私の知らない蓮の瞳の眼の光。

