葉本さんに妊娠したことを告げる。
「・・・そうか。」
一言だけ言葉が返ってきた。
その間、わずか2.3秒くらいだろうか。
私はその数秒間の間に全てを読み取った。
「一人で病院行って心細かっただろう?」
そんな優しいコトバも耳に届かない。
「二人の子供だから、一緒に力を合わせて
頑張って育てていこう」
がんばって・・ガンバッテ・・
ってどういう意味?
はもっちゃんは離婚しないんだよね。
私も離婚する気なんてない。
もしも、もしも・・
お互い離婚したとして、
そして二人で新しい家庭を作って、
この新しい生命をはぐくんでいくことができたら・・
そうしたら
幸せな家庭が築けるのだろうか?
****
ダンナに言わなくちゃ・・
でもなんて言おう。
どこから話しをするべきか。
逡巡しているうち、夜がやってきた。
「あのね・・私・・赤ちゃんができたの・・」
「えっ・・・?!」
ダンナの顔は一瞬にして蒼白になり、それっきり
コトバがなかった。
夜布団にはいり、
お互いなかなか寝付けなかった。
二人とも天井を見上げていた。
おもむろに主人が口を開いた。
「俺は・・・わが子ではない赤ちゃんを産む女と
一緒に暮らせない」
「ん・・わかってる・・」
そういうのが精いっぱいだった。
「かりんは・・もちろん産むんだろ?」
「うん・・」
産んでも産まなくても、
もうダンナと一緒には暮らせないと思った。
いっそ殴ってほしかった。




