「昨日・・ほんとは


電話待ってたんだ」


ついに言ってしまった。


「電話?」


「うん・・」


「あ~・・俺、帰ったらフロ入ったら

すぐ寝ちゃったからな」


あっけらかんとしてる

宮下さん。


やっぱり・・


ココは、これ以上


追求しないようにしよう。


あわてて話題を変える。


「あ、あのさ~・・


今度どっか行こうよ」


「そうだな。


USJとか行こうか」


「えっ?!USJ?!


行きたい。行きたい!!


私、お弁当作っていくよ」


「バカだな~

USJで弁当食ってるやついねーよ。


弁当なんか持ち込み禁止なんじゃないの」


そっか~・・


お弁当なんて作るの得意じゃないのに、

つい

いいこぶりっこしちゃったら

このザマだよ。


だけど、本当だったら


「宮下さんに私の作ったお弁当食べてほしかった~」


なんて可愛く言えたら最高なのにな。


そんなこともできない私。


「また今度弁当持っていけるとこ、

行こうよ」


宮下さんは

私の頭に

手を置いて、

いいこいいこ

するようにヨシヨシしてくれた。


頭なでてもらうなんて


小さいころに親戚のおじさんに

なでてもらったきり、

何十年ぶりだろ。


大切にされてる、って

うれしいな。


「可愛いよな。ミルミルって」


宮下さん

私の気持ちに気づいてくれたみたい。


私のこと、

どこかの

乳酸菌飲料みたいに

呼んでくれた。


私も、

宮下さんのこと、

特別な名前で呼んでみたい。


誰も呼んでない

私だけの呼び名で。