朝。

いつものように6時30分に起床し、涼太を起こすため、部屋に入るとそこはもぬけの殻だった。

机の上を見ると、「朝練いってくる」とだけ書かれた置き手紙があった。

涼太が朝練、ねぇ…

「案外頑張ってるじゃん」

一人笑みを浮かべながら、私は朝食をとるためキッチンへ向かった。


七時。

コーンフレークで軽く朝を済ませ、歯を磨いていると携帯が鳴った。

表示を見ると、涼太だった。

歯ブラシをくわえたまま電話にでる。

「もしもし」

「「もしもし、サラ?」」

「どうしたの?」

電話越しでも、涼太が焦っているのが手にとるようにわかった。

「「オレ、バッシュを部屋に忘れてきたみたいで…」」

「ば、ばっしゅ…?」

「「バスケ用のシューズッスよ」」

聞き覚えのない言葉を聞き返すと涼太は呆れたように説明した。「多分部屋にあると思うんスけど…」

「ちょっと待って」

携帯を持って涼太の部屋へ行くと、ベットの上に新品のシューズが無造作に置いてあった。


「「あった?」」電話越しに涼太が急かすように聞いてくる。

「多分」一見ただの体育館用シューズに見えるそれをまじまじと見ながら答えると、涼太は安堵したように、はぁーとため息をついた。

「「じゃあ、悪いけど学校の体育館まで持ってきてくれねぇ?」」

「いいけど…」

「「まじサンキュー!サラ!」」

「でも、今日の夕飯当番涼太ね」

そう言うと、ゲッという声が聞こえてきて、私は思わずクスクス笑った。

「じゃあ、後でね」

「「サラ」」

「なに?」

「「ありがとう」」

私は口元を綻ばせた。

「どういたしまして」





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