「準備できたか?」
「待って、あと少し…と」
ダフネがようやくループ型のピアスを耳に通すと同時に、堪り兼ねた花嫁付添い人のビスタが部屋に入ってきた。
鏡の中に映るダフネを見て、ひゅーっと笛を吹く。
「こりゃあ…すげぇ」
ダフネは振り返り恥ずかしそうに頬を赤らめながら、にっこり微笑した。
化粧を施した美しい顔。カールした栗色の髪は一つに結ばれ、その上にはヴェールが被せられている。手にはブーケを持ち、そしてその華奢な体を包むのは、繊細な刺繍が織られた純白のウェディングドレスだ。
「派手かな?」
心配そうに尋ねるダフネをビスタは何も言わず抱き寄せ、額にキスした。
「綺麗だよ、ダフネ」
耳元でそう囁くと彼女ははにかんだ笑みを浮かべた。
ことの始まりは二週間前。
「結婚?」
ようやく息子を寝かしつけ、酒をちょっぴり入れた特製の紅茶を飲もうとしたダフネは手を止め、目を丸くした。
「誰と誰が」
「俺とお前がだよい」
「冗談でしょ」
マルコははぁーとため息をついて、首を振った。子育てに奮闘するダフネを手伝ったせいか、疲れた表情をしている。「いや、冗談じゃねぇ」
ダフネはカップを落とした。「なんで」
「親父の掟を知ってるだろ」マルコは肩をすくめた。「二年も船を開けた奴は、二度とモビー・ビックに戻れない」
「だけど、私もうすぐしたら海に…」
「嘘つけ」
マルコは手を振ってダフネの言葉を遮った。「お前、もう戻る気ねぇだろい」
ダフネは言い返そうとしたが、言葉が出てこなかった。
「だから」
マルコは身を乗り出した。「俺とお前が結婚したら、'1番隊隊長の妻'として席をおくことが可能なんだよい。それに…」マルコは小さな寝息をたてている子どもをチラッと見た。「…俺も、あいつの成長を見てやりてェ」
お前もあいつも、家族だからな、と笑う。
その瞬間、ダフネは腕を伸ばし、マルコを抱きしめた。
マルコは目を丸くしたが、ダフネの頬にキスをして、抱き返した。
優しく髪を撫でられると、ダフネは子どもの頃に戻った気がした。
「ありがとう」ようやく体を離して、ダフネは言った。「マルコには感謝してるし、大好きよ。だけど」悲しげに眉を八の字にする。「私にはエースが…」
「そんなこと、言われなくても分かってる」マルコは優しく彼女の頬を撫でた。「形だけでいいんだよい」
そう言って、ズボンから小さな小箱を取り出した。
開くとそこには美しい宝石が埋め込まれた指輪が。
「ヴァンゲル・D・ダフネ」
マルコは膝をついて、指輪を差し出した。「俺と結婚してくれ」
ダフネは指輪を受け取ると、マルコの頬にキスした。「喜んで」
そして今。
白ひげ海賊団とその傘下の船員全員がとある島に集まった。
父親役のビスタと、花嫁衣装に身を包んだダフネが現れると、周りからわぁっと声が上がった。
「簡単な式になるんじゃなかった?」
ダフネは笑顔を浮かべ、かつての仲間たちに手を振りながらヒソヒソ声でビスタに言った。
ビスタは肩をすくめた。「皆の案だ。お前に一生に一度の最高の式をしてやりたくてな」
ダフネは胸が熱くなり、ぎゅっとビスタの腕を握った。
「ありがとう」
「どういたしまして、お姫様」
ビスタは彼女の頬にキスし、手を離した。「ほら。夫のとこへ行け」
タキシードを着たマルコが笑みを浮かべながら手を差し出している。
ダフネはにっこり微笑んで彼の手をとりその隣に立った。
目の前に牧師役のジョズがいて、ぶっきらぼうに式を始める。
「で、アラフォーで子持ちの女と結婚するのはどんな気持ち?」
ジョズが話している間ダフネは悪戯っぽくマルコの耳元で囁いた。
マルコは肩を竦めた。「悪くねェ。でもまさかお前と結婚するとはな」
「新郎新婦、静粛に」
とビスタ。
「…後悔してる?」
ダフネが尋ねると、マルコはいや、と答えた。「結婚するなら、デブでブスな女よりお前がいい」
ダフネは吹き出しそうになり、代わりにマルコを肘で小突いた。「最低!」
「ちげぇねぇだろい」とマルコは舌を突き出す。「でもま…満足してるよ」
ふざけた様子から一変、真面目な表情になる。「お前は世界一綺麗な花嫁だよい」
ダフネはマルコの額に自分の額をこつん、と合わせた。「ありがとう」
次の瞬間マルコがいきなりダフネ抱き寄せ、周りを驚かせた。
「まどろっこしい式はやめだ、性に合わねぇよい」
ニヤリと笑い、ダフネを見下ろす。「エースの代わりになれねぇのは分かってるよい。だけど俺の命をかけて、お前とその息子を守ることを誓う」
それで充分だろ?と笑うマルコに、ダフネは微笑み返す。「ええ。充分よ」
「それではーえーもう誓いのキスを…」
突然のマルコの言動に動揺しつつもなんとか義務を果たそうとするジョズ。
皆が見ている前、マルコとダフネは見つめ合った。
「愛してるぜ、妹」
「私もよ、兄さん」
二人は顔を見合わせ微笑み合いゆっくりと唇を合わせた。
ホワイティベティの腕にいた赤ん坊がきゃっきゃっと笑うと、式の出席者が全員が立ち上がり、拍手を送った。
(ねぇ、親父、エース)
ダフネはマルコと唇を離して並んでいる二つの墓石を振り返った。
(ようやく私も前に進めそうよ)
あとがき
とうとう!
エース夢小説Keep on Tryingの夢主、ダフネが!!
結婚しました!マルコと!
形だけだけどね(笑)
まぁ、かけてよかったー!
これから前に進むダフネを書いて行きたいと思います!
次はマルコの子育て奮闘記か、ダフネの出産になると思います。
赤ちゃん名前何にしよう…
「待って、あと少し…と」
ダフネがようやくループ型のピアスを耳に通すと同時に、堪り兼ねた花嫁付添い人のビスタが部屋に入ってきた。
鏡の中に映るダフネを見て、ひゅーっと笛を吹く。
「こりゃあ…すげぇ」
ダフネは振り返り恥ずかしそうに頬を赤らめながら、にっこり微笑した。
化粧を施した美しい顔。カールした栗色の髪は一つに結ばれ、その上にはヴェールが被せられている。手にはブーケを持ち、そしてその華奢な体を包むのは、繊細な刺繍が織られた純白のウェディングドレスだ。
「派手かな?」
心配そうに尋ねるダフネをビスタは何も言わず抱き寄せ、額にキスした。
「綺麗だよ、ダフネ」
耳元でそう囁くと彼女ははにかんだ笑みを浮かべた。
ことの始まりは二週間前。
「結婚?」
ようやく息子を寝かしつけ、酒をちょっぴり入れた特製の紅茶を飲もうとしたダフネは手を止め、目を丸くした。
「誰と誰が」
「俺とお前がだよい」
「冗談でしょ」
マルコははぁーとため息をついて、首を振った。子育てに奮闘するダフネを手伝ったせいか、疲れた表情をしている。「いや、冗談じゃねぇ」
ダフネはカップを落とした。「なんで」
「親父の掟を知ってるだろ」マルコは肩をすくめた。「二年も船を開けた奴は、二度とモビー・ビックに戻れない」
「だけど、私もうすぐしたら海に…」
「嘘つけ」
マルコは手を振ってダフネの言葉を遮った。「お前、もう戻る気ねぇだろい」
ダフネは言い返そうとしたが、言葉が出てこなかった。
「だから」
マルコは身を乗り出した。「俺とお前が結婚したら、'1番隊隊長の妻'として席をおくことが可能なんだよい。それに…」マルコは小さな寝息をたてている子どもをチラッと見た。「…俺も、あいつの成長を見てやりてェ」
お前もあいつも、家族だからな、と笑う。
その瞬間、ダフネは腕を伸ばし、マルコを抱きしめた。
マルコは目を丸くしたが、ダフネの頬にキスをして、抱き返した。
優しく髪を撫でられると、ダフネは子どもの頃に戻った気がした。
「ありがとう」ようやく体を離して、ダフネは言った。「マルコには感謝してるし、大好きよ。だけど」悲しげに眉を八の字にする。「私にはエースが…」
「そんなこと、言われなくても分かってる」マルコは優しく彼女の頬を撫でた。「形だけでいいんだよい」
そう言って、ズボンから小さな小箱を取り出した。
開くとそこには美しい宝石が埋め込まれた指輪が。
「ヴァンゲル・D・ダフネ」
マルコは膝をついて、指輪を差し出した。「俺と結婚してくれ」
ダフネは指輪を受け取ると、マルコの頬にキスした。「喜んで」
そして今。
白ひげ海賊団とその傘下の船員全員がとある島に集まった。
父親役のビスタと、花嫁衣装に身を包んだダフネが現れると、周りからわぁっと声が上がった。
「簡単な式になるんじゃなかった?」
ダフネは笑顔を浮かべ、かつての仲間たちに手を振りながらヒソヒソ声でビスタに言った。
ビスタは肩をすくめた。「皆の案だ。お前に一生に一度の最高の式をしてやりたくてな」
ダフネは胸が熱くなり、ぎゅっとビスタの腕を握った。
「ありがとう」
「どういたしまして、お姫様」
ビスタは彼女の頬にキスし、手を離した。「ほら。夫のとこへ行け」
タキシードを着たマルコが笑みを浮かべながら手を差し出している。
ダフネはにっこり微笑んで彼の手をとりその隣に立った。
目の前に牧師役のジョズがいて、ぶっきらぼうに式を始める。
「で、アラフォーで子持ちの女と結婚するのはどんな気持ち?」
ジョズが話している間ダフネは悪戯っぽくマルコの耳元で囁いた。
マルコは肩を竦めた。「悪くねェ。でもまさかお前と結婚するとはな」
「新郎新婦、静粛に」
とビスタ。
「…後悔してる?」
ダフネが尋ねると、マルコはいや、と答えた。「結婚するなら、デブでブスな女よりお前がいい」
ダフネは吹き出しそうになり、代わりにマルコを肘で小突いた。「最低!」
「ちげぇねぇだろい」とマルコは舌を突き出す。「でもま…満足してるよ」
ふざけた様子から一変、真面目な表情になる。「お前は世界一綺麗な花嫁だよい」
ダフネはマルコの額に自分の額をこつん、と合わせた。「ありがとう」
次の瞬間マルコがいきなりダフネ抱き寄せ、周りを驚かせた。
「まどろっこしい式はやめだ、性に合わねぇよい」
ニヤリと笑い、ダフネを見下ろす。「エースの代わりになれねぇのは分かってるよい。だけど俺の命をかけて、お前とその息子を守ることを誓う」
それで充分だろ?と笑うマルコに、ダフネは微笑み返す。「ええ。充分よ」
「それではーえーもう誓いのキスを…」
突然のマルコの言動に動揺しつつもなんとか義務を果たそうとするジョズ。
皆が見ている前、マルコとダフネは見つめ合った。
「愛してるぜ、妹」
「私もよ、兄さん」
二人は顔を見合わせ微笑み合いゆっくりと唇を合わせた。
ホワイティベティの腕にいた赤ん坊がきゃっきゃっと笑うと、式の出席者が全員が立ち上がり、拍手を送った。
(ねぇ、親父、エース)
ダフネはマルコと唇を離して並んでいる二つの墓石を振り返った。
(ようやく私も前に進めそうよ)
あとがき
とうとう!
エース夢小説Keep on Tryingの夢主、ダフネが!!
結婚しました!マルコと!
形だけだけどね(笑)
まぁ、かけてよかったー!
これから前に進むダフネを書いて行きたいと思います!
次はマルコの子育て奮闘記か、ダフネの出産になると思います。
赤ちゃん名前何にしよう…
