「あれ、天谷じゃん」



すっと上げられた視線。



相変わらず、すごく綺麗な目玉。



「・・・・絵奈?」



「あったりィ」



私はにっと口角を上げ、彼のもとにかけよった。「久しぶり。元気だった?」



「まぁな」



そう言って、じっと私を見据えた。



私は苦笑した。「なによ?」



「―――――いや」



別に。



またサッカーボールに視線を戻す。



変わらないなって思う。その人に興味がないところも。サッカーが大好きなところも。



だけど。



「変わらなくちゃ、いけない時だってあるんだよ、天谷」




成長しなくちゃ、生まれ変わらなきゃ、いつか一人になっちゃう。



変貌するこの世界で。



生き残れるのは、順応できる人間だけ。



あなたに、それができるの?



彼の去りゆく後ろ姿。



今はもう、あの頃の輝きはない。



ただ、大きな翼が、かなしげに広がっていた。