雨の中、立ちすくむあいつ。


ぽたぽたと、頬に涙がつたう。そう、この雨のように。


傘で顔を隠し、唇をかみしめ、声を押し殺している。



俺は慌てて彼女の元に駆け寄ろうとしたけど、緑間っちに先を越された。


声をかけられ、顔を上げた時、彼女の表情が変わった。


先ほどと全く違う、この雨模様に不似合いなほど、綺麗で温かい顔に。



その時すでに、俺は確信していた。


二人の間に築かれつつある愛の芽生えに。



「・・・・くそ」




俺は靴紐を直すふりをしながら小さな声で悪態をついた。