ガリガリガリ・・・



腹の中から聞こえてくる、爪音。



出せ出せ出せ出せ出せ



「一体、彼らは何者で、何のためにこの世に産み落とされるのでしょうか」






詭弁学派、



四ツ谷先輩の怪談



~ Changeling ~






「おはよーっ」



いつもの朝。



中島 真は朝の清々しさを味わいながら、同級生に挨拶した。



いつもどおり、靴箱に星柄がプリントされたお気に入りのスニーカーを置こうとした時だった。



「ア”――――――ッ!!」



真の悲鳴が学校中に響き渡った。



なんと靴箱の中に、人形の頭が押し込められ、しかもその顔には‘ネタちょうだい’と書かれているではないか。



こんな気持ちのいい朝に、こんな趣味の悪い悪戯をするのは、この世界でたった一人しかいない。








「四ツ谷先輩!!なんなんですか、これ!!」



真は人形の頭を四ツ谷先輩に押し付けた。「心臓が爆発して死んだららどうするんですか!!」



「大丈夫だ、そう簡単に爆発するわけがないだろ」



それに、と彼は口元に薄気味悪い笑みを浮かべた。「もし死んだら、俺が怪談にしてやる」



「そ、それは結構です」



というか、かなり嫌だ。



なにせ目の前にいる彼、四ツ谷先輩は‘怪談を創る’という信念に駆られていて、最恐の怪談を創造することためならどんなことでもするのだ。




何度もそんな彼に付き合っている真にはよく分かっていた。




はぁ~っと、深い溜息をつこうとした時だった。




かちゃ・・・。




屋上の扉が開いた。




二人が同時に振り返ると、一人の少女が立っていた。





「あなたが、四ツ谷先輩?」