「はっきり言って、勉強とか無意味よ。たった一枚の紙きれでその人の頭脳を図るなんて、不可能だわ」



「右に同じ~」




「・・・・・一体お前らは何しに来たのだよ」




俺は苛々しながら、ごろごろと床に寝転がっている馬鹿どもを見下ろした。




突然、玄関をガンガンと叩き(近所迷惑だ)、「勉強教えて」と言いに来たくせに、ありったけの文句を並べくつろいでいるだけではないか。




霜月の口元が悪戯っぽく綻んだ。「なに?もっと素敵なコトがしたいの??」




「きゃーやらしっ」



・・・・・なんでお前は女みたいに口に手を当てぷぷっと笑っているのだよ、高尾。




「ほら。勉強しに来たのだろう。さっさと起きろ」




この言葉をさっきから何百回と繰り返すが、アザラシどもはぶーぶー不満を漏らす。



「はっきり言って数学なんて必要ないじゃーん。世の中はセックスと愛で成り立っているのよ」



「おー名言」



「それに国語なんていらないし。今は英語が万国共通語でしょ~~最近の教育はどうなってるわけ?」



「世界なんて2012年で終わるしなぁ~」



「数学を作った古代ギリシャ人を恨むわ。あとマヤ文明に乾杯」



「お前らは本当に何しに来たんだ。」





仕方なく、こいつらの計画を立てることにした。



なんで俺がこんなことを・・・。



「霜月。お前が英語しかできないのはよく分かったのだよ」




「メルシ♡」




「・・・・・・・・・・・・・・一番数学が酷すぎる。0点だぞ、0点」




「ノープロブレム」



「いや、プロブレムがあるから間違えるんだろうが」



「・・・・ウィ」




「高尾、お前はまず、この10点台地獄を繰りぬけろ。それしか言えん!」



「だって理解不能だぜ!?」




アザラシのくせによくギャーギャー喚くものだ、まったく・・・。



「ってかよー霜月ってなんでフランス語とかスペイン語話せるわけ?それが不思議」



机に顎を載せながら高尾がぼやいた。



すると、霜月は今まで見たことがないほどうっとりと陶酔の表情を浮かべた。



「だって、世界中の男と寝るのが私の夢なんだもん」




「・・・・・・・・・・・」



「ちょ、真ちゃん、青筋立ってる、青筋!!」



この女は・・・・。



今の発言、「私、あなたのお嫁さんになる!」より馬鹿げた発言だぞ、おい。



「でもさ」



霜月は机から身を乗り出して、ニヤリと笑った。



「‘真太郎’と結婚するのも、悪くないかも」





はおさん。







(その瞬間)



(自分の頬が熱くなるのを感じた)