なんでだよ・・・。




なんで・・・・!




「何で見捨ててくれなかったんだよォ!!俺の身勝手でこうなっちまったのに・・・・・・!!」




見捨ててほしかった。




俺のためにここまで来る必要なんてなかったのに・・・・!!




白ひげはゆっくりと口を開いた。




「いや・・・俺は行けと言った筈だぜ息子よ」





驚きの言葉にエースは目を見開いた。「・・・・!?嘘つけ・・・・!!馬鹿言ってんじゃねぇよ!!あんたが止めたのに俺は・・・」




「おれは行けと言った。―――そうだろマルコ」



エースの言葉を遮り、マルコに目を向ける。



マルコは大きく頷いた。「ああ。俺も聞いてたよい!!とんだ苦労をかけちまったな、エース!!」



そういって口元をゆがませる。「それに、この海じゃ誰でも知ってるはずだ」





「おれ達の仲間に手を出せば一体どうなるかってことぐらいなァ!!!」



「お前を傷つけた奴ァ誰一人生かしちゃおけねぇぞエース!!」



「待ってろ!!今助けるぞォオオオ!!!」





うおおっと雄たけびを張り上げ剣や銃を頭上に掲げる仲間たち。




そして―――。





「お前もそうだろ――――



























ダフネ」











その名にエースははっと顔を上げた。







コツ・・・・。






「ええ」






凛とした、澄んだ声。








「あれは・・・!!」




白ひげの隣に立った女を見て海軍がざわめきだす。





センゴクは額に眉を寄せた。「アナスタシア・・・・!!」






女の口元が弧を描く。




「さぁ」




前髪をかき上げるその指には指輪の跡が残っていた。




「はじめましょう」