「なるほどな~だから朝練遅れてきたのか」
今朝の事を話すと、高尾はどこかつまらなそうに溜息をついた。
「なぁんだ、霜月ちゃんとよろしくやってんのかと思ってた」
「馬鹿を言うな。俺はあんな尻軽に興味はないのだよ」
そう言ってちらりと彼女を見る。
今霜月は他の男子と話していて、声を上げながら笑っている。
口を開けて笑うところが彼女らしい。
ふと、高尾がうすら笑いを浮かべてこっちを見ているのに気がついて、振り返る。「なんなのだよ」
「やっ、なんでもない」
なんでもない、と言いつつ‘なんでもなくはない’という含みを持たせた口調だ。
「真ちゃんって、まじでツンデレだよな~」
「・・・・・いい加減なことを言うな、高尾」
じろっと睨みつけると、彼は降参の合図に両手を上げた。
「へいへい。・・・・じゃあ俺が霜月とヤッても別にいいよな?」
「・・・・・ああ」
別に、どうでもいいのだよ、と呟く。
少し胸がずきっと疼いたが気のせいだろう。
「じゃっ、アプローチしてくるわ」
そう言うやいなや、高尾は立ち上がり、弾むような足取りで霜月のもとへと駆け出した。
霜月は高尾に気付き、話していた男になにやら言ってあいつを振り返った。
「・・・・・」
どんな話しているかは分からないが、二人ともどこか楽しそうだ。
いつのまにか、ずっと二人を見つめているのに気がづいて俺は慌てて視線をそらした。
なんであんな女のことを気にしているのだ、俺は。