「な・・・んで・・・七武海が・・・・」
自分の声が震えているのが分かった。
ちらりとキッドに目をやる。
無理だ。まだこいつらには。
「キッド」
ダフネはキッドの服を引っ張った。「下ろして」
「・・・・なんでだ?」
ひそひそ声に近い、押し殺すような声。
いつ相手が動くか分からないから用心しているんだろう。
「あんたには、まだ無理よ」
ダフネがそう囁くとキッドが睨んできた。「・・・俺を馬鹿にしてんのか?」
「違う。相手が悪すぎる」
あっちは七武海なのよ、となだめるように言う。
「ハッ、相手が誰だろうと引くわけねェだろ」
ふん、と見下すように鼻を鳴らす。「・・・・・お前、俺が負けるとでも?」
「違う!」
ダフネの声は悲鳴に近かった。
キッドの肩に顔をうずめる。「あんたには・・・死んでほしくないのよ・・・!」
消えてほしくない。
次の未来を繋ぐ、懸け橋だから。
すると、キッドは振り返ってダフネの目をじっと見つめた。
海のような、青い瞳。
「死なねえよ」
にやっと不敵に笑う。「俺を信じろ」
その目には、強い意志が宿っていた。
こういう目を見ると、なにも言えなくなる。
ダフネは渋々うなずいた。
その時、がさっと言う音がして、後ろを見るとトラファルガー・ローが立っていた。
彼も驚いたように、バーソロミュー・くまを見つめている。
「トラファルガー、てめえ邪魔だぞ」
ぎろりとキッドが睨んだ。
「消されたいのか。命令するなといった筈だ。今日は思わぬ大物に出くわす日だ・・・さらに大将に会いたくねェんで・・・」
ぶわりとローの手に円が渦巻いた。
「そこ通してもらうぞ・・・バーソロミュー・くま・・・!!」