「ようやく少なくなってきたな」
キッドの声でダフネははっと我に返った。
少なくはなったとはいえ、まだ大部分は残っている。
「裏口より人質3名の身柄を確保!!迫撃砲は能力者以外を狙え!!!」
「銃撃隊後列へ!!」
「前兵一斉攻撃を開始する!!!海賊どもをうちどれ~~~!!!」
ウォオ~っと雄たけびを上げ、恐怖を拭いとる海軍。
「おー怖」
ダフネは嬉しそうに言った。
こういうのって、本当に闘争心を駆り立てられる。
「茶化すなよ、帽子頭。もう向こうは作戦なんかねェ。・・・後は大乱闘だ・・・・・!!」
そういうやいなや、キッドはダフネの体をふんわりと肩に担ぎあげた。
「ちょ・・・っ」
いきなり抱えあげられ、ダフネはとっさにキッドの肩にしがみついた。
「―それじゃあな、麦わら・・・!!お前に一目あえてよかった」
「ちょっとキッド!下ろしてよ!!」
必死で身をよじりながら喚くとキッドが迷惑そうに振り向いた。「じっとしてろ。おっことすぞ」
「落っことしてほしいわよ!!」
ダフネが怒鳴ると無造作に帽子をかぶせられた。
つまり、黙ってろってこと。
ダフネはぷっくりと頬を含まらせた。もう!
一体なんのつもりよ?!
「行くぞ、お前らァ!!」
そう声を上げ、ダフネを抱えたまま歩きだした。
後ろしか見えなかったが、キッドが歩くたびに海兵の屍や血が広がっているように見えた。
「調子はどうだ、帽子?」
「ダフネよ」
「ダフネ」
「地獄に堕ちろ」
「女のくせにそんな口叩くなよ」
「あーら。海賊が海賊に説教するわけ?」
「まァな」
くっくっと笑い声が聞こえキッドの肩が震えた。
「キッド」
横に並んだキラーが前を向いたまま聞く。「なんでこんな女を連れていく?」
沈黙。
理由なんかないわよ、鉄仮面クン。
ぐるりと目を回す。あんたの船長の脳みそ中は空っぽなんだから。
しばらくして、キッドが口を開いた。
「気になるんだよ」
どんな時でも前に進もうとする、こいつを――と呟く。
ダフネは眉をよせた。
「それ――」
どういう意味、と聞こうとした時だった。
ピュン、と何かが空を切る音がした。
「キッド!!」
ダフネが叫ぶと同時に血が宙を舞った。
「キッド!!」
「キッドの頭!!」
がくりと片膝をつくキッド。
ダフネはようやく身をよじって前を振り向いた。
その男を見た瞬間、ダフネの瞳が動揺に揺れ、段々と見開かれていった。
「バーソロミュー・くま・・・・・・・・・・・」
あとがき
何気に気に入ってるこの章
抱きかかえられるとか・・・っ