船員たちが、白ひげと赤髪シャンクスとの話し合いを見守っている中、ダフネは隅で体を揺らしながら考えていた。
あの時の赤髪の顔が、頭から離れないのだ。
それは、純粋な‘驚き’。
まるで――
「宝物を見つけたような・・・」
ぽつりとつぶやくと、マルコが振り返った。「宝物?」
「なんでもない」
上の空で答えるとマルコは怪訝そうにダフネを見て、また話し合いに注意をそらした。
その時。
ドゴォォォオオンンン!!!!
海に響き渡るような破壊音が聞こえ、ダフネは顔を上げた。
驚きで目を細める。
「天が・・・」
まるで二つに分かれたように天が、割れた。
ざわざわと騒ぎ始める船員たち。
「赤髪の野郎、オヤジになにを・・・!!」
「戦争か?!」
刀や銃を持ち出す男たちをマルコが制した。「待て待てい。んな馬鹿なことをする男じゃねェよい」
ほどなく、目の前に赤髪が現れた。
疲れて、憔悴しっきているようだった。
ダフネが見つめていると、また目が合った。
さっきとは違う表情にダフネは驚いた。
それは、憐れみと――悲しみ。
だがダフネを見てその口元がかすかにほころんだように見えた。
自分の船に戻り、モビー・ビック号を振り返った。
「白ひげ」
その声には断固とした決意があった。
「真実を語るんだ」
誰もがわけがわからず、顔を見合わせた。
真実?
赤髪の船が離れた後でも、白ひげの返事はなかった。
「お頭、なにがあった?」
船員たちの問いにシャンクスは答えなかった。
もしも彼が顔を隠していなかったら、船員たちはシャンクスを老人と間違えたかもしれない。
それは、たった一つの真実を知らされ、一生を使い果たし、甲板の隅で座っている老人だった。
目に涙を浮かべて、顔をおおている男だった。
「あなたはあなたよ。それに変わりはない」
そう言って笑っていた彼女。
「くそ・・・」
たった何年か前の話だった。たった数年の――・・・。
海の囁きに似た声が、遠くのほうで聞こえた気がした。
真実を語れ、か。
白ひげは鼻を鳴らした。あのガキも、言うようになりやがった。
「親父?」
マルコが心配そうに顔覗き込んだ。
ふと顔を上げるとそこには、あの女がいた。
漆黒の髪。鮮やかな、青の瞳。
だが煙のように、幻は消えた。
今、目の前に立っているのは、栗色の髪をした、一人の少女。
その目は、あの女と同じ色。
「ダフネ」
その名を呼ぶと、ダフネは俺を見上げた。
「お前に話がある」
あとがき
よし
ちょっと更新減ります
ああ・・・・書きたいのに・・・勉強が・・・