ああ、そうか。
俺は死ぬんだ。
死に向かっていくのを感じながらもサッチは微かに笑みを漏らした。
自分の死に様なんか考えたことがなかった。
生きて、生きて、生き続けてきたから。
でもこんな死もありかもしれない。
人生が夢のような日々を与えてくれたのなら、その終わりを嘆き悲しんだりするべきじゃない。
だけど。
サッチは視界がぼやけるのを感じた。
「サッチ!」
死に際に思い浮かぶのは、花のように無邪気な、お前の笑顔。
出来るなら
許されるのなら
もう一度
もう一度
あの笑顔がみたい。
自分を救ってくれた希望の光。
残虐なこの世界の唯一の光を。
意識が遠のきかかる。
その時。
「サッチ!」
その声は、心を揺さぶり
魂を生き返らせる。
(死んでも)
(お前のそばに)
あとがき
サッチ視点