第11次瀬戸内カヤック横断隊④ | DriftWoodBeach

第11次瀬戸内カヤック横断隊④

2013年11月18日
リーダー:西原(サポートに本橋)
潮汐:呉 満潮10:04(362) 21:52(325)
     干潮3:39(14) 16:07(103)
天候:晴れ
メンバー:シングル24艇






3日目の朝は昨日までと異なり7時ビリーフィング、その後の出発となった。
四国の山並みの向こうから神々しい明かりが昇ってくる。瀬戸内横断隊をやっていて海から見る四国の山筋が僕は好きだ。本州側より四国を見てしまうのは何故だろうか・・・。


この日は亀ヶ首から南西風を避けるように岸沿いに北上する案をリーダー西原さんは出していた。西原さんはガイドではないが広島周辺をホームグランドに漕いでいるので土地勘はある。そのせいか妙に自信満々にリーダーを引き受けていたように思えた。


浜から出発し、いよいよ亀ヶ首を回り込んだところで誰もが思い出した。
「これ、行けるんじゃねぇか?」
風が思いのほか弱く、このタイミングなら下蒲刈島までの海峡横断が可能なように思えた。するとリーダーもそれを悟り、一気に下蒲刈島に向かうことに。前日の怒和島から鹿島までの海峡横断と同じように今回もかなり運が良い。ただ、それも朝方の方が風が弱いという方程式に従っているともいえる。




無事海峡横断が終わり下蒲刈島が近づくころ、そうは問屋が卸さないと南西風が強く吹き始めた。最終的には9m/s近くあったはずだ。何とか沿岸にとりつき梶ヶ浜海水浴場の入江に入るとなんとか風裏で一息つけた。下蒲刈島東海岸は嘘のように穏やかだ。


リーダーは先を急いでいるのか後ろを全く見ない。後ろから何かを言っても振り向かない。これは致命的だ。
前回書いたように、今回もアンが遅れていて後続隊がそれをサポートする形になると前後に大きく隊が分かれてしまう。経験者が多い後続隊とはいえあまりにも距離が離れれば追いつくのは時間がかかるし何より危険だ。後ろを見ないリーダーなんてのは前代未聞。
キツい書き方になるかもしれないが、これは多人数ツーリングの「基本」だと思う。西原さんにはぜひ反省してもらいたい。


その後も上蒲刈の南岸を行くという案があったが見事に却下され、下蒲刈と上蒲刈の間を北上して上蒲刈島北岸を東に進む形となった。これが追潮との相乗効果でかなりいい感じで漕ぎ進めて北岸に着くころには西風になった追い風で距離を伸ばした。ところがここでも隊が大きく前後で離れる。後ろから追いかける隊長と僕…。頼むから後ろ見て。


かなり広がってから後ろに気づいて前進を止めて待つのではなく、こまめに後ろを見て進行ペースを遅くしたりすれば隊全体の漕ぐモチベーションを一定にしつつ、まとまって進ませることができると思うのだ。カヤックを止めてしまうと休憩だと思って油断する人も出て急な発進に対応できず、再び隊をばらけさせる原因になる。何にせよ、止まるなら流れない場所で止まり、漕ぎ進むときは常にパドルを動かす。それにはまず隊全体を「見る」のは必要不可欠だ。






風裏のつもりだったが、強くなったのか風向きが西寄りに変わってきたのかだいぶ海も荒れてきた。潮が転流したことも大きい。結構厳しい状況もあったが追い風に流されながら12:30、三角島南西岸の浜に上陸、休憩となった。沖には風紋が走り、通常のツーリング、ツアーをするような海ではなくなっていた。




一時間の休憩の後、大崎下島に渡り、だいぶチョッピーな海を漕いで初崎をまわり岡村島との海峡に入り込んだ。ここは平羅島、中ノ島、小島などに北の入口が塞がれているために中はひじょうに穏やかで、潮も追い潮で流れるように岡村島南岸にある観音崎の手前にある乗越海岸(サンビーチ)に15:10、上陸した。


これで安心して焚火で温まれる~と思いきや、昨年と同じように今やこの浜は野営・バーベキュー禁止の看板が。有志のメンバーが何人か歩いて役場まで行って野営許可を得に行くと、しばらくして戻ってきて○印!今年も何とか許可を得ることができた。何でも昨年来たことも覚えてくれた人がいるようで、主旨を説明すると何も問題ないとのこと。ありがたいことです。

岡村島は橋を渡って呉から車でやってこれるとびしま海道端っこの島。だから夏になると多くの観光客がやってきて、そして心無い人たちによって荒らされるのだろう。すると結果的にこういう「禁止」看板が立つことになる。皆さんもモラルを持って他所の土地で遊びましょうね。






風が強くなってきたせいで完璧な風裏でないこの浜ではところどころで風が抜ける。時々辻風が起こって落ちているゴミごと干している衣類を巻き上げるほどだった。

許可を受けてからは焚火を起こして暖を取る。
焚火はありがたい。
この日は毎回サポートとして車で追っかけてくる篠ちゃんが勤め先の会社社長の差し入れを持ってきてくれ、たらふくビールにありつけることができた。

三宅社長!ありがとうございました!


 ◎アウトドアーズ・コンパス(楠大和・篠原佳美:愛媛松山) 
                          http://www.kompas.co.jp/





夜は反省会。
風が多少弱くなって助かった。何より月も出て晴れているのがありがたい。
しかし翌日は今日並み、それ以上に風が強くなることは人に見せてもらったスマフォからの天気図でわかりきったことだった。西高東低、間違いない西風。


そんな中、隊長が翌日のリーダーに任命したのは僕、赤塚だった。

さてさて、どうしたもんか…。