点字の歴史 |  就労継続支援A型事業所ドリフのブログ

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 今日は点字の日。6つの凸点で文字をあらわす触覚文字の点字は全盲や弱視などの視覚障がい者になくてはならないものです。しかし、街中でよくみる点字ブロックの上に自転車や障害物を置くなど嘆かわしい光景が多数見られます。今日のブログは点字の必要性を多くの人に知ってもらうために、点字の歴史を書きたいと思います。


 まず、点字ができる前は晴眼者からの音読や手のひらに指で字を書いてもらうだけでなく、糸の結び目の数と位置でいろはを表すむすび文字や紙の折り方と折る位置で表す折り紙文字、大小2種類のガラス玉に紐を通した通心玉や針で文字の形を作り紙に押し当てて文字を書く針文字などいろいろな工夫をして文字を覚えたようです。また、晴眼者が使っている普通文字を何とかして読めるようにならないかと、陶器や瓦、木などの上に松ヤニや紐で形を作って凸字に浮き上がらせる凸文字が使われましたが、どれも読みこなすのは大変だったようです。

 1670年にイタリアのフランチェスコ・ラナ・デ・テルツィが点と線の組み合わせでアルファベットを表す記法(盲人のための独習可能な記法、あるいは秘密を隠すための暗号)という点字につながるシステムを考案しました。それから149年たった1819年にフランスの砲兵仕官のシャルル・バルビエが、アルファベットを12の点の配列で表す軍用の夜間読字を考案しました。これを盲人用の文字に出来ないかと少し改良して持ち込みましたが、12点で大きいことから指先に伝わりにくい上に、文字が複雑で読みとるのに多くの時間を必要とすることからなかなか受け入れられませんでした。しかし、フランスのルイ・ブライユという5歳で失明した全盲者がシャルル・バルビエの考案した12点点字を指先に伝わりやすく6の配列に改良して、アルファベットだけでなく、アクセントや句読点や略字、数字や音符の書き方を含んだ今のような6点点字を完成させました。これは1825年の事でしたが、正式に採用されるのは1854年の事でした。


 時代が進むにつれ、ルイ・ブライユが発明した6点点字を元にして、英語式点字など各国の言語にあわせた点字が発明されるようになって、それと同じように日本語式の点字が発明されて大いに活用されるようになるのは、明治23年(1890年)の事です。明治20年頃、東京盲唖学校に勤めていた石川倉治は東京盲唖学校の校長だった小西新八からルイ・ブライユの6点点字を日本語の漢字に適用するように依頼されました。6点点字から8点点字に改良する案が却下されるなどいろんな苦労を重ねて、明治23年の11月1日、完成した日本語式点字が正式に採用されました。石川倉治は他にも、点字を打つための点字機点字ライターを開発した事で石川倉治は日本点字の父といわれています。

 石川倉治が発明した日本語式点字は6点全て打った形から目をイメージした事で、そこから規則的に50音順に配列した事から覚えやすく、早く読み書きできて、日本語のカナを全て言い表されたことから大変優れたものです。そこから日本語の発展とともに『ひゃ、ひゅ、ひょ』などの拗音を点字に付け加えるなど点字は発展していき、1966年(昭和41年)に点字表記法の制定機関として「日本点字委員会」が発足されました。


 ほかにも、日本バリアフリー研究者の福島智氏の母親が発明した指点字や手を差し出さなくても身体に伝える体表点字などがあります。この知識を元にして、点字などバリアフリーをもっと理解して、障がい者に優しい社会になれば幸いです。