こんにちは。初めまして。九月の終わり頃からDDifaのインターン生として働き始めました、行木龍武(なめきたつむ)です。

スペイン、マドリードに来てから、早くも一ヶ月が経ちました。

突然ですが今回は、僕が選手、スタッフの皆さんを一番近くで見てきて感じた、彼らの「覚悟」についてお話ししたいと思います。


まず僕は、本気の挑戦をするために、ここに応募して、ありがたくも自分を選んでいただき、こうやって夢のような舞台で実際に活動しています。

中途半端な覚悟できたつもりは全くなく、むしろ、選手たちよりも世界で羽ばたいてやる、くらいの勢いで来たのですが、上には上がいるなと痛感しました。

マドリードに到着した当日。岡部さんご家族に迎えにきていただき、時差ボケでふらふらながらも寮に行き、選手、スタッフの皆さんと挨拶をしました。前から知っていたかのようなフレンドリーさにとても驚きました。少々圧倒されながらも、とても嬉しく思いました。

日曜日だったこともあり、みんなが寮にいて、賑やかだったのですが、あっという間にその舞台はフットサルコートへと変わりました。平日も休日も彼らには関係なく、とにかく真剣に、本気でサッカーをやる。一日目から彼らのその強い気持ちを感じることができました。彼らの頭の中は年中無休でサッカーのことでいっぱいなのだな、と。

フットサルコートは公園の一端にあり、誰でも無料で使えるのですが、彼らがプレーを始めた途端、そこが本当のフィールドのように感じました。試合を始めた彼らの顔つきは、先ほどのフレンドリーなものとは程遠く、プロの選手さながらの真剣な眼差しでした。サッカーでは、いつでもどこでも本気でぶつかり合う。そんな彼らは、とても輝いていました。そして、試合が終わればまた一変。楽しそうに公園内でドリブルやリフティングをして、通りすがりの人々にやっほーと声をかける、明るく元気な彼らに戻ります。


夢の中でもサッカーをしているのではないかと思ってしまうくらい、彼らはサッカーに夢中で、真剣で本気なのです。毎日が挑戦で、毎日成長をして、少しずつ、確実に、彼らの夢に近づいている姿を目の当たりにすると、自分も負けていられないなと強く思います。本当にかっこいいです。彼らが周りに与える影響は計り知れず、毎日心が熱くなります。

そんな彼らに負けないくらい強い気持ちを持っているのがDDifaのスタッフの皆さんです。選手たちの毎日の本気の挑戦を本気で受け止めて、支え、最も近くで彼らの成長を感じる存在です。

僕もおよそその一人として、ここにいて、たくさんの学びがあり、自分自身も挑戦と成長をし続けないといけないなと日々感じます。

選手との生活を始めて一週間くらい経った頃、右も左もまだわからなかった時、僕は選手たちに好かれることが大事だと思っていました。というよりも、好かれたいという自己満足の欲求がありました。だから、選手たちに必要以上に優しく接したり、愛想良く振る舞ったりと色々なことをしていました。今思うととても滑稽ですが(笑)その時は本当に好かれることが何よりも優先で大切なことであると思っていました。

ある時に、初期の頃からDDifaで選手たちと生活をされている、いわば先輩スタッフの方とお話をしました。

その時にその話を聞いていなかったら、今でも、選手たちとの馴れ合いに力を入れていたと思います。


まずは、スタッフの大きな使命の一つである、彼らがここに来ている目的を常に自覚させる、ということ。選手たちは、ほとんどの時間そのことを忘れてはいません。しかし、本当に稀に、自分を完全に制御ができずに、目的から外れた行動をとってしまうことがあります。そういった時、怒鳴ってその場をやり過ごすことはすごく簡単ですが、それでは誰も成長しません。彼らと対話をして、自分たちで考えて答えを導き出すまで真剣に向き合う、そうすることで彼らの成長のきっかけになります。そして、選手たちがここに来ている目的を何度も何度も自身の心に刻むことで、より強い意志を持ち、自らの覚悟を強固なものにできます。自らの力でさらに前に進もうとする彼らの姿に、心を動かされます。


次に、全ては彼らの成長のため、ということです。自分の好かれたい、という感情は彼らのためでなく、自分のためのものであることを明確に自覚しました。遅いだろ、と自分でツッコミたくなるくらいです(笑)先ほどの話とも大きく繋がりますが、彼らにとって、ここでの一瞬一瞬は、全て挑戦と成長のためにあります。挑戦と失敗を繰り返して、一段ずつ成長の壁を登って彼らは強くなります。失敗は誰にでも起こることですが、それをいかに成長につなげるか。当たり前で簡単に聞こえることですが、これが本当に難しいことだと、自分が伝える立場になって気がつきました。彼らの成長に繋がるように言葉を一つ一つ選び、心の奥底まで響かせる。十人いれば十通りの伝え方があるように、答がありません。だから、選手たち一人一人と本気で向き合い、全力で応える。選手たちに負けないほどの、熱く強い想いがあるスタッフの方々だからできることなのです。並大抵の覚悟ではできません。一ヶ月間、隣で見ていたからこそ、それを感じることができました。


そして最後に、これらは全て愛情である、ということです。僕の言っていた選手から好かれる、のような上っ面のことではなく、心の底から彼らを想い、真剣で本気な彼らに恥じないくらい自分たちも本気であること。厳しい言葉をかけることもあるし、心を鬼にして彼らに接することもある。時には涙をする選手もいる。でもそれはスタッフの方々の愛を選手たちがしっかり受け取り、心から話を聞いている証です。そのようにお互いがリスペクトを持ち、心の奥深いところで繋がっているからこそ、最高の関係が築けているのです。


少し本題から外れてしまった部分もありますが、僕がDDifaのインターン生として挑戦を始めてからの約一ヶ月で感じた、彼らの覚悟の強さについてお話ししました。

この短い期間で、本当にたくさんのことを感じ、学ぶことができました。自分が今までいた世界とは何もかも違う。これから何が起こるかわからない答のない道を、失敗を認め合え、挑戦と成長をともにできる、最高の仲間たちと一緒に進んでいくことが、楽しみで仕方ありません。