今回は めずらしく 美容外科ネタです (;^_^A


先日 コメント欄より質問がありました



 「隔膜前脂肪をとった場合でも 二重まぶたの切開手術の料金に含まれていますか?」 という質問でした



回答は 今のところは 「隔膜前脂肪を取っても 二重まぶた切開手術の料金のままで 上乗せなし」 です



しかし マニアックな質問ですね


まずは 隔膜前脂肪とは どれ?



高須クリニック Dr.日下志オフィシャルブログ 「一期一会」
克誠堂出版 セレクト美容塾・眼瞼 より 引用




この図で ROOF(retro-orbicularis oculi fat) となっている黄色い部分で 眼窩隔膜の前にあるところをいいます


ちなみに 眼窩隔膜よりも奥にある黄色い部分は 眼窩脂肪と呼ばれます



二重まぶたの切開手術の際に 「脂肪をとる」 といえば 通常は 「眼窩脂肪をとる」 ことです


しかしながら とても厚いまぶたの 眼窩脂肪だけをとっても あまり 薄いまぶたには ならないことも多いです

その場合 隔膜前脂肪もとって 薄いまぶたにすることもあります


でも 誰にでも安易に隔膜前脂肪をとる ということは やっていません

隔膜前脂肪をとることは いいことばかりではないからです

希望者に 行うのではなく 僕が 「この人は隔膜前脂肪をとったほうが 絶対にキレイに仕上がる」 と思った場合にだけ行います また その判断は 手術前ではなく 手術中に 皮膚や眼輪筋 隔膜前脂肪の厚みや眼窩脂肪の量を確認して 総合的に判断し その場で行っています

 

こんなことを 質問してくる一般の方がいらっしゃるということは どこかのクリニックがホームページか何かで この手技を紹介して宣伝しているのだと思います


この手技自体が悪いとは 思いませんが 一般の方の気持ちを煽って 「隔膜前脂肪をとると すっきりした目元になる」 と思い込ませてしまったとしたら ちょっと喜ばしくないと思います


こういったことは あまりネットでは書きたくなかったのですが・・・


僕が 「何でもかんでも 隔膜前脂肪をとると すっきりした目元になる という考え方には 問題がある」 と言ったとしましょう


それを 聞いた一般の方が 「隔膜前脂肪をとってすっきりした目元になる」 ということを宣伝文句にしているクリニックに意見を聞きに行ったとします

そうすれば返ってくる こたえはわかりきっています 

「高須クリニックの医者は 何もわかっていないのです あるいは 手術が下手くそなんじゃあないですか」 といったような回答がかえってきます

そうすると 一般の方はどっちの言っていることが正しいか分からず 余計に混乱する といったことになってしまいます。



いまの 美容外科業界は こんな悪循環に陥ってしまっています


僕がブログで美容外科ネタを ほとんど書かない理由は こんなところです

専門的知識の一部だけを紹介し 患者さんを混乱させたくないからです



二重まぶた 埋没法は 「瞼板固定法は角膜を傷つける可能性があるから危険だ」 とか 「挙筋固定法は眼瞼下垂になることもあるので危険だ」 とか 


まあ まったく間違っているという わけでもないですが 手術手技には それぞれ利点と欠点があります

その一面だけをみて この方法が優れていて その方法は劣っている とは 決められません


そのときの状況に応じて使い分けることも多いですし 自分の得意な手技というのもあります

総合的に判断して 手技を決定するものです


だんだんと話が長くなってきました


美容外科ネタを書き始めてしまったので すでに患者さんを 混乱させてしまっているわけです

では いっそのこと とことん書いてみようじゃあないですか


では 「隔膜前脂肪をとる」 ということの欠点は なに? ということですが


まず 「あまり まぶたが厚くないひと (皮膚や眼輪筋が厚くないひと) の隔膜前脂肪をとると 予定外重瞼線が出来てしまうことがある」 ということです


予定外重瞼線というのは 読んで字の如く 手術で作ろうとした 二重ライン以外にも ラインができてしまうことです



予定外重瞼線 (左まぶた)
高須クリニック Dr.日下志オフィシャルブログ 「一期一会」
克誠堂出版 セレクト美容塾・眼瞼 より 引用 



こうなってしまうと なかなか 修正は容易ではありません


ただし この予定外重瞼線 というのは医者によって よく起こしてしまう医者と まったく起こさない医者 がいるような気がしますが・・・


僕はまだ 一度もこのようなことには なっていません

高須クリニックでは このような事態になったかたは ほとんど見たことがありませんが


一般的には ときどき起こる事態です



それから 若い頃 まぶたが厚かった人でも 30歳すぎぐらいから 急激に 隔膜前脂肪がやせてきて

まぶたが くぼんでくることも多いのです


そんな人が 隔膜前脂肪をすでにとってしまっていたら くぼみ目になってしまいます


これも 老けて見えて ちょっと悲しいものがあります


そんなときは ヒアルロン酸注入 か 脂肪注入が必要になります


いまはヒアルロン酸注入が 主流です



高須クリニック Dr.日下志オフィシャルブログ 「一期一会」
くぼみ目修正 ヒアルロン酸注入 高須クリニックホームページより



夜も遅くなったので 今日のところは このあたりで・・・・


たぶん  つづく   と思う