予定帝王切開 | へその緒のはなし

へその緒のはなし

「へその緒」を研究する産婦人科医のブログ。
かつては、みんながお世話になったはずである「へその緒」の神秘的なしくみと、その異常への挑戦を語る。

 「私、帝王切開じゃなく普通に産めますか?」と時々聞かれます。答えは、赤ちゃんが産声をあげるまで分かりません。ですが、自然に陣痛が始まる前に帝王切開をしなければならない人はいます。あらかじめ、何らかの理由で日にちを決めて帝王切開することを予定帝王切開といいます。予定帝王切開が必要になることがある代表例は、次の状態!

骨盤位 (こつばんい)
 さかごのことです。赤ちゃんの向きが違うことを胎位異常といいます。横向いてるのは横位といいます。正常の向きである頭が下の場合(頭位)をのぞき、帝王切開になる場合があります。
 
前回帝王切開
 上のお子さんを帝王切開で出産されている場合です。一度子宮にメスが入った場所は、壁が薄く、弱くなっていることが多いのです。妊娠中は問題になることが少ないですが、そこに陣痛(子宮の収縮)がくるとパンク(子宮破裂)することがあります。これまた本当に極めて稀ですが。万が一破裂したときに母体の大出血の原因になるので、経腟分娩にトライするかは、10か月前に相談です。

子宮筋腫術後
 これも、前回帝王切開と同様の理由。

前置胎盤 (ぜんちたいばん)
 前置胎盤は、また別の機会に詳しく書きますが、胎盤が子宮の出口に出来てしまった場合を前置胎盤といいます。胎盤は、胎盤の説明のところでも書きましたが、酸素や栄養の交換をする重要な臓器です。胎児を維持するべく、母と子の多量の血液が循環している場所です。

前置胎盤で子宮口が、分娩近くなって開きかければ、その上の胎盤の一部がはがれてしまうことになるのです。そのようなことが起きれば大出血となり、母児ともに危険になります。ですから、その前に帝王切開をしなければなりません。

児頭骨盤不均衡(CPD)
 実際の、赤ちゃんの頭と産道の幅は、ギリギリの狭さです。赤ちゃんの頭が産道である骨盤よりも比較的に大きいと判断された場合、つまり、骨盤をとおって下から生まれるのが困難と判断された場合のことです。骨盤の大きさは、比較的にお母さんの身長に比例するといわれていて、身長150センチ未満のお母さんは、これになりやすいと教科書的には言われています。

逆に、超音波で赤ちゃん自身や赤ちゃんの頭が大きいと推測される場合もこれにあてはまります。あやしいと判断されたときに、骨盤の大きさをレントゲンで測定します。

しかし、実際は小さいお母さんには遺伝的に小さい赤ちゃんだったりするので、骨盤が狭いから予定帝王切開にしましょうということはあまりなく、実際に経腟分娩にトライして、途中で分娩のすすみが悪い時に帝王切開に切り替えたりすることが多いです。

などです。

 ちなみに、へその緒の異常が超音波で見つかって予定帝王切開になるのは、臍帯下垂と前置血管ぐらいかな。へその緒が理由の予定帝王切開は少ないのですが・・・・



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