出産のご経験のある方はご存じのことと思いますが、胎児の心拍と陣痛(子宮の収縮)の強さを、お腹の上に貼り付けたプローブで、持続的に測定する機械です。病院でNSTとかベルト巻き検査とか呼ばれているものです。胎児の心拍を機械が感知し「ボコッ、ボコッ・・・」と、出産やお見舞いなどで産科病棟を訪れた方は、この音が絶え間なく鳴り響いるのが印象的だったことでしょう。ドラマ「ギネ」で主役がこのモニタをみて慌ててグレードAとか言ってるやつです。
産科医は、常にこの音を頭のどこかで聞きながら仕事をしなければなりません。家で寝ていてもこの音が聞こえる程です(←職業病)。赤ちゃんは1分間に140回前後の心拍を打っています(1秒に2回ぐらい)。それが、ゆっくりになったりすれば、妊婦さんや赤ちゃんに何か変化が起きていることになります。それが、どの程度のものか、どんな変化が起きたのかをチェックしなければなりません。もちろん、助産師や看護師がチェックしていますが、医師もそんな音の変化を常に聞きながら仕事をしています。私は、趣味でチェロを弾いていましたので、耳で心拍数(1分あたりの回数で音楽のテンポ表記と同じ)をあてたりしていました。AllegroのテンポならOKです。
この分娩監視装置は、最近ではどこの病院でも当たり前にありますが、意外と歴史は50年ぐらいと浅いのです。聴診器では、水の中にいる胎児の心拍は聞こえません。分娩監視装置が普及するまでは、トラウベというラッパみたいな木でできた筒を、直接お母さんのお腹と医療者の耳に当てて心拍を聞いていてそうです。もちろんずっと聞いている訳にはいかないので、時々。自分が生まれた時は、分娩監視装置が使用されたのかなぁとか思ってしまうぐらいです。
胎児の心拍数が持続的に低下したり、波形に異常のあったときには、早めに分娩したほうが良いのかが判断されます。あとで、たくさんお話しますが、へその緒のトラブルと心拍数異常との間には強い関連があります。しかし今では、多くの病院で分娩監視装置が使用されるために、へその緒の異常があった児でも異常心拍数を見つけ、早めに分娩し、多くの元気な赤ちゃんを得ることが出来ているのです。
分娩監視装置は、基本は分娩中につけるものです。外来などで30-40分だけ行う同様の検査はNST(ノンストレステスト)といって、波形から赤ちゃんの元気度を確認するためのものです。へその緒の異常があろうとなかろうと多くの赤ちゃんは、分娩中の分娩監視装置によって、お腹の中でのトラブルを見つけ、危険を回避できます。でも、ときどきこれらの監視外にトラブルがおきることがあるのです。これが、私の臍帯異常との戦いです。
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