ローリング・ストーンズ「LOVE YOU LIVE」(1977年)という作品。
クリスマス・シーズンだが、このようなストーンズらしい泥臭いライヴアルバムを聴きたくなった。クリスマスのような聖なるものとは、関係性が遠いものかも知れない。現在の世の中とは、或る意味隔絶した気持ちで聴いた。
東京の中心街にクリスマス・シーズンになると突如として現れる、イエス・キリストの言葉を大音量で流すワゴンカーの存在に対して、いつもならただの煩いものとして聞いていたものだが、今年の今晩に関しては、何かそれらの言葉が馴染むように身に沁みた。
聞きながらも全然馬鹿に出来ない。これらを普通の大多数の人は、端から馬鹿にしながら聞いているだろう。何か自分や恐らく数少ない人たちだけが、その言葉の意味に納得しながら、大音量の車の脇の横断歩道を渡っているという気がして、少し優越感に浸っていた。きっと、これらをてんで分からない人は馬鹿なのである。だからと言って、私は新興宗教には、微塵も興味関心はない。それとは別物である。
自宅に帰って来て、やはり現代は人々が神を信じることさえしない、悪魔の世だったとの認識が蘇ってくる。信仰心の全くない多くの人々。それでクリスマスを祝う、大きな矛盾。
「LOVE YOU LIVE」のラストを飾る「SYMPATHY FOR THE DEVIL」を聴いて、今一度、悪魔を憐れもうではないか。
全18曲収録。