ローリング・ストーンズ「BEGGARS BANQUET」(1968年)という作品。
恐らく公衆便所の中の落書きという、当時では珍しく、汚い下品なジャケットと世間から指摘され、物議を醸した。
2023年という時代では、もっと下品な表現というのは巷に溢れており、1968年当時の世間の反応のようなことは、余り考えられない。
強く非難されたことで、ジャケットが他のデザインのものへと変更された時期があった。真っ白いバックに、ただローリング・ストーンズ、そしてこのタイトルだけが筆記体で表記されたデザインである。
こういう事例からも分かる通り、世間の共通感覚は徐々に変化している。
一年、また一年、と少しずつでも変化を重ねた時、その10年後にはかなり違ってくる。
「ベガーズ・バンケット」発表から、早55年経った。
このアルバムの内容について、クオリティとか技術的とかそういう意味ではなく、今のバンドではまるで思い付くこともなく、絶対に、同じような雰囲気の曲は創れないものだろう。
だからこそ、その時代の「作品」としての価値がある。時代の一つの表現として。
全10曲収録。