いしいしんじ「ぶらんこ乗り」(2000年)という文庫本を読み終えた。いしいしんじさんは読売新聞の「人生案内」で名前を知っていて、町田康さんとの共著でも知っていた。御本人の作品を読むのは初めてになる。「人生案内」では、非常に変わった文章を書く方だ、という風に単純そのままに思っていたが、この「ぶらんこ乗り」を読み、そのイメージは崩れ去った。純粋で文体も「人生案内」とは全然違うのである。人違いかとも思った程だ。心が綺麗なのが如実に表れていて、非常に上手だと思った。
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大谷翔平選手の稼ぎが、2023年は、何と85億円以上にもなるらしいことを最近知った。
その内訳は、野球の年俸で40億円以上、スポンサーなどからの収入も同じく40億円以上で、合計85億円を超えるらしい。
あの大リーグの選手の中でも、トップの合計金額であり、WBCの熱狂後、大リーグが開幕しても、大谷フィーヴァーは依然続いている。
85億円、という数字は、庶民からすればどのくらいの金額なのか、すぐにはピンと来ないくらいの物凄い金額であるが、これが世界の大富豪と比べると、実は大したことがないというのは、またしても驚くべきことだ。
最近の長者番付の1位はイーロン・マスク氏で(抜かれたっけ?)、その金額の単位は億ではない「兆」である。
そして、その金額すらも本当の金額だろうかと疑ってしまう。
実はもっと大きな金額ではないのか。いい加減で適当な数字ではないのか。
地球人口の1%にも満たない人数の大富豪たちの稼ぎというのは、地球の総金額の随分高い割合を占める、とまで言われている。
そうすると、大谷選手の金額は、それら大富豪なんかと比べると馬鹿みたいに微々たるものであって、大谷選手もいわば我々と同じ庶民(或いは奴隷?)である、と言えそうだ。
金の亡者の欲望は尽きない。物凄い狂った世界だ。そういった狂った金銭感覚には、自分はなりたくない。
そして私は、大富豪たちが羨ましいとも全然思わない。勿論、お金は無いよりは有る方がいいが、特に、感覚の狂うほどまでは必要ないかと思う。
しかも、今は金融崩壊の時であり、そんなにもお金や資産が沢山あったら、私の場合は、日々、心配で夜も眠れぬ(笑)。