朝井まかて、頭が凡人的 | 新時代思考記

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朝井まかて「雲上雲下」(2018年)という作品。直木賞作家の朝井まかてさんの本は、今回初めて読んだが、これが凄かった。壮大なスケールで描かれるファンタジー小説である。

ファンタジーといっても西洋的ではなく、純日本的な民話や土地の暮らしをモチーフとしたような物語に仕上がっている。元々、小さい些細な題材よりかはドデカイ話の方が好きな私にとっては、自分の趣味嗜好のドツボに、この小説が嵌ってしまった。

こういった優れた物語を目の前にすると、例えば、トレンディな恋愛物語とか殺人事件の推理モノとか、そういう社会的で日常茶飯事的なお話がどうでもいいものかのように、私は思える。

神々のこと、大自然の営み、摩訶不思議なる現象の数々が、まるで川が流れているかのように清らかに書かれている。綺麗で流暢な言葉遣いによって、心が浄化されるかのようである。

語彙に関してはかなりレベルは高く、それでいて文章は非常に分かり易い。なかなかこういう作家には巡り会えない。

また、この文庫本の最後に解説をしていた若手作家の阿部智里さんの文章も良かった。この方の小説も、今まで読んだことがないが、今度読んでみよう、と思えるような興味深い内容を書かれていた。こちらにも、気になっている。

 

 

最近、頭が冴えなく凡人的な感じなので(元々が凡人そのもの、かもしれないが)、話題に少々困っている。

何か良いテーマ、日々のニュース、話題となる材料や事柄を、常々気に掛け見つけてゆきたい。