スティーヴィー・ワンダー「SONG REVIEW A GREATEST HITS COLLECTION」(1996年)というベスト盤。
この方も超有名人だが、残念ながら私は詳しくない。そんなことばっかりだ…。でも知らないのだから仕方ない。知らないことは知らないと表明した方が、知ったかぶりするよりも随分とマシであると思っている。
全然初めてではないのだが…、実際にスティーヴィー・ワンダーを聴いてみると、CMなど、どこかで聴いたことのある曲だとか、レッチリのカヴァー曲であるとか、目からウロコな曲が多かった。この曲も、スティーヴィー・ワンダーだったか!?というように。
知らないことが、恥ずかしいことであるという思いが更に増幅してしまった。
こんな乏しい知識で以て、「洋楽ファン」だと言い張ることすら、とても恥ずかしい気持ちになってしまう。
もっと、アルバムや曲を聴こう、本を読もう…。
アメリカや英国を中心に、黒人への人種差別に関してのデモ・暴動が激しさを増す。
アメリカでは昔の英雄(コロンブスなど)の像などの強制的な撤去や破壊などが頻発して起きており、人種差別に類した映画に関しても配信会社が配信停止、自粛する動きとなっている。
更に、影響はあの英国のビートルズにも及んでいる。ビートルズの有名曲である「ペニー・レイン」にも騒動は波及したのだ。
英国のリヴァプールの“ペニー・レイン通り”のその標識には、黒いスプレーで塗り潰されたり、「人種差別主義者」という、いたずら書きされたものが発見された。
「ペニー・レイン」とは、奴隷商人に、ちなんだものだという。
当然、差別は有ってはいけないことだとは思う。
(…というか、差別は観念の問題なので、本当のところは存在しないものだ、と言った方が正しいのだが。)
発端はコロナだが、今回に関しては…、暴動の大きさ激しさ、そのことよりも「今までのグローバリズムとは一体何だったのだろう」と不思議に思うのと同時に、それに伴って、自分自身の「力の抜け」の方が、私にとっては驚くべきことだ。
あれだけ喧しく言われていたことが…! 実のところは脆弱な造りの、見栄えだけがいいものであり、今では無残にも崩壊しつつある局面だということ。
力が抜ける。
何か蛸のように、ふにゃふにゃになっちまう。
「肌の色など関係なく、世界は一つ」ということを謳っていた、グローバルな考え方、思想。
世界は急激にナショナリズムへと動いていくのか。
グローバルな思想が実は、世界中の国の、皆の隅々の深いところまでには浸透していなかったことがこの騒動で以て、私にすらもよく分かったことだし、そもそもアメリカなどの黒人にとっては、グローバリズムであろうが何であろうが余り関係なく、過去も今に至るまでも差別は繰り返されていた、ということの表れなのだろうか。
余り実情をよく知らないのは、海に囲まれていて移民の少ない、他人種の少ない、日本人くらいなのだろうか?
スティーヴィー・ワンダー辺りも、この人種差別に関連して、何か発言するだろうか。
或いは新作にその思いは込められるか…。
いつ、この騒ぎの収まりが付くのか。
コロナの感染力も怖いが、人間の差別心も怖いものだ。
このことに関しては、結構、興味深く見ている。
「力の抜け」から早く立ち直り、もっと世界を凝視したい。