レディオヘッドのオフィシャル盤。
彼等の3rdの作品(1997年)になる。
聴いていても、決してバリバリと元気の出るような音楽ではない。
鬱屈していて、どこか悩んでいるというか、人間の苦しみ、苦悩のような黒くて暗い影が潜んでいる。
でも偶には、そういうものを聴くのもいいものだ。
しかし今の世の中は、レディオヘッドに負けずに暗い。
人間社会が、新型コロナウイルスに悉くやられてしまっている。
そしてそれはただのウイルスとの戦いだけではなく、内輪揉め、人間同士の争いにも発展しているのである。
「コロナ離婚」「DVの増加」もそのうちだろう。
今が一段と結束しなければならない時に、外出の出来ないイライラからなのか、却っていつもよりも夫婦仲が悪くなったり、家庭や家族間での暴力などが発生したりしている。
または仕事がないから、という理由もあるのだろうが…。
脆くて弱い結束力が露呈している。
「グローバリゼーション」や「グローバリズム」というのも弱い結束の代表格であろう。
世界中であれだけ喧しく騒がれ推進されて来て、最先端の考え方だと誰も信じて疑わなかった思想ですらも、今では風前の灯の状況である。
コロナが完全に終息したとしても、グローバリズムが元通りに戻れるかというと、全くの先行き不透明ではないだろうか。
これまで人間の築き上げてきた思想や文明というのも、実は大したことがなかったと思わざるを得ない。
コロナ後、人間は一からまた新しく文明を造ることになるのか。
または既存の残すものは残し、文明の一部を変えることになるのだろうか。
いずれにせよ、今までの文明社会は終わることになるのだろう、と思う。