ハミ受け習得ことはじめ ー ヒト編 | Dressage Love

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馬場馬術に夢中です♪

最近、ハミ受け習得中の方たちのブログがよく目に入り、

懐かしいな〜〜と思いながら拝読しています。

 

 

ハミ受けって、決して難しいことではなくて、

高原乗馬クラブでは子どもでも出来ている簡単なこと。

(奥が深いもの、ではあります)

 

"難しい" と思ってしまうと遠ざかってしまうので、

出来かけている、そのうち出来ると思って練習するほうが

上達への近道ではないかと思います。

 

 

 

わたしが習得中のときは、

推進が要と言われて一生懸命推進すると

 

「そんなに急がせたら、ハミ受けしない」

 

と言われたり。(笑)

 

 

 

先生につきっきりで教わりながらあれこれ試すものの、

全く受ける気配が見えず、

すべてを諦めたとたんに受けてくれたり。(笑)

 

 

一生懸命追求すればするほど遠ざかる印象があります。

日本で評価される "努力" "頑張る" が逆効果になる。

 

 

 

5年間のブランクをへて、

以前どう乗っていたか思い出す過程で、

わたしにとって一番のポイントだったのは、

馬の重心の真上に自分の重心が重なっているか、

でした。

 

 

これ、まだ1鞍のなかで、

10分できたり、1分しかできなかったり、

安定してできるようにはなっていないのですが。。。

 

 

馬を始めたばかりのころは

落ちるか落ちないか、というバランス。

 

そのうち3種の歩様に慣れたら、

手綱を放しても乗れるバランス。

 

ハミ受けを習得するのに必要なのは、

そこからさらに1段上がって、

馬の重心の真上に自分の重心を保てるかというバランスです。

 

 

以前、

某ドイツ人ライダー(マイスターの資格は持っていない人です)が

馬に跨がった瞬間に馬がハミ受けの体勢になるのを見て、

どうしたらそうなるのか訊いた人がいて、

 

 

「それぞれの馬に、特有のポイントがあって、そこに座るとそうなる」

 

という返事だったそう。

 

 

 

わたしが馬を習いはじめたクラブでは

 

「乗馬の上手い下手というのはどれだけ推進できるかです」

 

という方針で

レッスン中、「脚!脚!」と何度も言われました。

 

自然、肩や首まで力みながら、身体を前後左右にゆすりながらでも

渾身の力を込めて脚を使う乗り方をする人が

(わたし自身を含め)多かったです。

 

 

他のクラブにも行ってみると

 

「そんなに馬を煽るような乗り方をするなんて、

普段どれだけ重い馬に乗ってるの?」

 

と言われる。(笑)

でも、一度 リキんで乗るのを覚えてしまうと、

力を抜いてと言われてもなかなか抜けないんですよね。

そもそも力んでいる自覚さえない。滝汗

 

 

 

 

わたしの場合は、力を抜いてと言われるより、

馬の重心の真上に自分の重心を重ねることを意識して

それが出来たときは自然に不必要な力みがすべて抜ける

ということがここ半年くらいでわかってきました。

 

そして、その状態が、

なにもしていないのに馬の項が上がって

勝手に馬が丸まってくる現象の鍵だったらしいことも。

 

 

ハミ受けシリーズ vol.2 で書いたような体験は、

まだ、"それぞれの馬のポイント" を探すことはできないながら、

無意識のうちに偶然そこに座っていた結果だったようです。

 

 

 

といっても、わたし自身、

過去それが出来ていたときに出来ていた自覚がなかったように、

 

とりあえず鐙を上げたり

手綱を離したりしても落ちずに乗っていられるようになったあとで

さて、

馬の重心の真上に自分の重心が一致しているか

どうかを感じるのは、なかなか難しいかもしれません。

 

 

 

でも、

力まずに乗る

とか 

受け身的に乗る

と言われるような状態が

本当のハミ受けをして乗るには大事なようです。

 

 

わたしの周りではいつも騎座が左右どちらかに落ちていると

注意されている人はハミ受けの習得に苦労しています。

それが治ったとたん、

ハミ受けできるようになっている人も多いです。

 

ある特定のシチュエーション

(たとえば右手前輪乗りだったり、駈歩のときだったり)で

必ずどちらかの拳が高くなる、低くなる、背峰を超える

などのクセがある場合も、

その原因は騎座が左右対称でなかったり、捻れていたりする、

崩れたバランスを補うために、

結果 拳がそうなっていることもあります。

 

どちらかの足のつま先だけが外を向く、なども同様です。

座りが左右対称になっているか要チェック。グラサン

 

かく言うわたしも左膝下のみぷらぷら病があるので、

常に常に 要チェック雷 です。

 

 

 

過去に2度、プロがハミ受けに苦労している馬で

さくっとすんなりハミ受けした経験もあります。

 

 

2人のプロとも、新人ではなく、

小規模なクラブならトップとして、

中規模なクラブならナンバー2として

新人のプロを指導するくらい乗れる人たち。

 

1度目はわたしはまだハミ受け習得中。

輪乗りの最中、外方を握ったらすっと受けてきました。

そのレッスン中、先生が やたらと

「絶対逃がさないんですよ!!」

を繰り返していました。

 

レッスン後に

 

「馬が譲ったら、乗り手も譲り返すって言うじゃないですか?

今日、わたしは一切譲り返さなかった気がするんですが、

あれで良かったんですか?」

 

と訊いたら、

 

「あれだけつきっきりで見ていたんだから、

譲りが足りなかったらそう言っています。

今日は逃がすな、と指示をして、逃がさずに1鞍乗れたし、

初めて乗った馬であそこまでできれば上出来です」

 

レッスン後にベテラン会員さんから感想を訊かれ

「さすがA馬ですよねぇ。ハミ受け超楽勝」

と言ったら、

 

「あの馬、あの先生が乗ってこのあいだの試合の下乗りで

ぜんっぜん受けなくて、もうなにをどうしても受けないから

最後はこ〜んなして、あ〜んなして、もう普段わたしたちに

やっちゃいけないって言ってることも全部やって大変だったのよ」

 

と、言われ、

先生の「絶対逃がさないんですよ!!」の必死具合を理解。(苦笑)

 

 

2回めは

それまでいた馬術部ではハミ受けさせずに

初心者レッスン専用にしていた馬。

新しい施設に入厩後、だいぶ環境に慣れたので、

トップの先生が初めて本気で乗って戦いに戦って、

ようやっと受けさせたら、翌日跛行したので、

 

「もうこいつはハミ受けさせるのは諦めました」

 

と。

この方は「俺様は乗れる」タイプでは全くなく

謙虚な人だったので、

 

「それって、先生が力と技術を駆使したから

受けさせられたけど、馬は全く納得いってなくて

自分から受けたわけじゃないから

翌日 筋肉痛 跛行したってことですか?(苦笑)」

 

 

と訊いたら

 

「あぁ〜、たしかにあれは筋肉痛だったのかもなぁ〜。

そんな感じだった気がしてきた」

 

 

と。なので、ハミは無視してくださいと言われ、

お願いしていたレッスンも

 

調馬索で手綱を離して乗りたい

 

というものだったので、

全く問題ないですと乗りはじめたのですが。。。

 

 

乗っていたら、馬がどんどんリラックスして、

項の位置が下がっていくのです。目

 

ここまでいったら、手綱握ったら受けるよね?

と試しに手綱を持ってみたら、あっさりハミ受け。

 

しかもいままでハミ受けして運動していなかったので、

クチの感触はふわっふわ。

 

頭のいい馬だったので、受けたほうが楽だとわかったら、

手前を変えたら自分からハミを探しにきて、あっさり

ハミ受け。

 

諦めていた馬が、初めて、本当にハミを受けたと

レッスン後の先生の喜びようったらありませんでした。ニコニコニコニコニコニコ

 

 

 

というわけで、技術があるから受けさせることができる。

技術がないから受けさせられない、というだけでもないのです。

かなり乗れるプロであっても、

頑張ることは逆に本当のハミ受けからは遠ざかる結果になりかねない。

 

お客さんの試合前だったり、

自分ができなかったら、新人プロも、お客さんもできないからだったり

いろいろな事情で、プロには技術を駆使してでもかたちだけでも

なんとかしなければならないことはありますね。ウインク

 

 

 

いままで何度かハミ受け出来たことがある人、

馬の背が自分の下で盛り上がってくるのを感じたことがある人、

の場合、

 

あれ? 今日はなんで上手くいかないの?

 

と思ったら、

 

馬体のなかで力を抜いてほしいところ、

どこの力を抜いてくれたら背中が盛り上がりそうか

感じてみてください。

頚なのか、肩なのか、腰なのか。

 

大事なのは、鼻面の角度を意識することではなく、

どこがどう変わったら背が盛り上がってきそうか、

なにが詰まりとなって背の盛り上がりを阻害しているか、です。

 

 

そして、頚なら頚、肩なら肩で、

自分自身の身体のその部分の力みを抜いてみてください。

 

 

日本では馬たちは欧米のように

日中長い時間放牧されているわけではありません。

 

 

自分だったら朝、目が覚めた瞬間にまどろみもせず、伸びもせずに

いきなり全力疾走できるかどうか考えてみてください。

馬房と馬体、サイズでいったら、お布団とヒトくらいしかないはずです。

ヒトは朝と夜、どちらのほうがストレッチしやすいでしょうか?

 

ハミ受けも、跨がった瞬間からできるかどうかより

まずは最後の10分、クールダウンと常歩で

質のいいハミ受けができているかどうかに意識を向けてみてください。

(本運動中もできればそれにこしたことはないですね)

 

最新のスポーツ科学ではウォームアップよりクールダウンの質が

その後の健康と運動能力の維持向上のために重要とされています。

 

 

 

以上が、ヒトについて言えること。

 

 

で、ウマについて言えること、に続くつもりです

(いつになることやら)