ウェディングドレスデザイナーの粕谷尚子です。
今日もこのブログをお読みくださいましてどうもありがとうございます。
名医で有名な先生を紹介していただき、それだけでホッと安心してしまいました。
翌日も、その翌日も、先生から「変わったことはありませんか?」とお電話をいただきました。
相変わらず、のんきな私は、「なんて親切な先生だろう」と思っていたんです。
実は、ほってはおけない危険な数値が、検査の結果出ていたそうです。
急ぎの納期の仕事を済ませて、4日目に、病院に行きました。
まだその時も入院するとは思っていませんでしたが、体調があまりにも悪いので、息子のお嫁さんにお願いして、附き添ってもらいました。
病院についたらすぐに診察をしてくださり、先生は、「救急車を呼びましょう」と言われたんです。
それでもまだ、「大丈夫です。タクシーで行きます」と、看護婦さんが呼んで下さったタクシーに乗ってお嫁さんと一緒に、先生が電話で指示して下さった駒沢の病院に向かいました。
その時はもうさすがに、じたばたする元気はなくて、すっかりお嫁さんに甘えて、病院では、車椅子に乗せていただき、じっとお任せしました。
点滴が始まり、15分置きに血圧を測り、心電図やらいろいろ検査が始まり、着のみ着のままで、ベッドに固定されてしまいました。
緊急病棟での3日間が始まりました。
忙しい息子が、駆けつけてくれて、お嫁さんと2人で、自宅まで、パジャマや洗面用具などを取りに行ってくれました。
ずっと続いていた咳は、風邪かしら、喘息かしら等と他人事のように言っていましたが、実は、心臓にも肺にも水がたまっていたそうです。
それが原因で咳が出ていると言われました。
手術をすれば治りますと言われましたので、安心してお任せすることにしました。
入院前から、名医の先生に、ペースメーカーを入れればすぐに元気になりますと言われていましたので、手術の覚悟はできていました。
でもその時はまだ、ペースメーカーを埋め込む手術は、心臓を切開するのだとばかり思っていました。
実は、鎖骨の下を少し切って、そこに携帯電話の半分ぐらいの大きさのペースメーカーを埋め込むだけなんです。
ペースメーカーというのは、小さな小さなコンピューターです。
そして足の付け根からカテーテルというのでしょうか、2本のリードを入れます。
ペースメーカーの下の部分についている2つのフックに、そのリードをひっかけるんです。
わたしの心臓の画像が映っている大きな画面を見ながら、4~5人の先生方が、そのフックにリードをひっける作業をしてくださいます。
大先生が、もう少し右とか1センチ左とか言われて、作業が進行していきます。
部分麻酔ですので、しっかり意識もあり、先生方の雑談まで全部聞こえてきます。
麻酔があまり効かなくて、痛い、痛いと言ってしまいましたが、麻酔を足していただいたり、大丈夫だから我慢しなさいと叱られたりしながら、手術は無事に終わりました。
心臓の手術と思っていましたので、少し怖かったのですが、じつは、心臓は、全然傷つけることはなかったんです。
痛いのは、ぎゅうぎゅう押し込まれるペースメーカーです。
少しでも外側から目立たないようにと思う先生方のご厚意なんですが……。
痛いので、押さないでください、とか、もう触らないでくださいとか言ってしまいました。
1時間ぐらいで終わりますと言われていた手術でしたが、準備や、あと始末などで2時間がかかってしまいました。
そんな簡単な手術だと思わない家族は、待機室で、口もきけなくなるくらい心配してくれていたそうです。
笑いながら手を振って出てきた私を見て、息子が「おかあさん、顔色がよくなったねえ!!」と驚いていました。
血液の循環が悪くて、顔色が最悪だったらしいのですが、手術が終わった途端に、血色がよくなったようです。
さすがに術後すぐに、そのままレントゲン室でレントゲンを撮ったり、検査室で心電図をとったりしたので、病室のベッドにたどり着いた時には、口もきけないくらいぐったりしてしまいました。
食事をする元気もなく、休みましたが、そのあとは、メキメキ元気になり、いつの間にか咳も全然でなくなりました。
医学の進歩は、目覚ましいですね。
ペースメーカーがなかったら、今頃はもう私もこの世にはいなかったかもしれません。
月曜日に手術をして、金曜日には退院という早業でした。
「もう少しゆっくりして行ったらどうですか?」
と、先生には言われましたが、病院にいると、どんどん体力が落ちていきそうなので、早く元の生活に戻りたかったんです。
ペースメーカーのお陰で、すっかり苦しさから解放されて、嬉しくてルンルンです。
アメリカ生まれのペースメーカーにトム君と、名前をつけました。
私が日本人ですから漢字の「叶夢」君にしました。
これからの人生を共に歩んでくれる、生涯の伴侶の叶夢君です。
そして叶夢君と共に歩む新しい人生がスタートしました。
やり残した夢を実現するために、ひた走る覚悟で、スタートしたんです。
叶夢君と2人で、夢を叶える努力を続けます。
続きはまた明日お話しさせていただきますね。
それではまた。
素敵な一日をお過ごしください。
オーダードレスの ドレスさら
粕谷尚子
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