おきると誰もいない。


昔行った学校の裏を、充てもなく歩いてみる。

やっぱり2年前と変わらず静かで、ゆっくりした時間が流れている。


何もかもが嬉しかったころ、僕はこの道を、ちゃんと歩けただろうか。


昨日の夜花を見たいと思うと、もうこれで日曜日をすばらしく彩れるような気がした。


そして、今日やっぱり歩いてみると、あのときの公園は見つからなかったけれど、時折かたまって咲いている桜の木を見つけることは、僕に、思ったとおりの感情を抱かせるには充分で、

"なくしたとしても、思い出せる"


そして、どこにいるだろうか。

どこに行こうか。


そして一回りすると、いきなり目の前に大通りが現れ、少しの酔う夢から覚める。


ケーキ屋も、エスペラント協会も、初めて目にする。

とても近いのに、何も知らないようなめまい。


そして本屋さんに行くと少し雨が降り出した。