はあ、こちにんわ~こちにんわあ~


どうどう。はいどうどう。


お前様方、お盆休みはしっかり充電充実したかね?


いや、”かね”はやめて”かに”でいっとこうか、カニッ!カニーッ!ヤドカリー!ダイオウグソクムシーッ!!


やっぱやめとこう。ボケたりふざけたりする元気も無いよ。面白さまで昇華できないよ。


今年も大型連休とか皆無な状況でリアル奴れってる僕チンだがまあどうでもええやないけあほー。




そんな訳で昨日、表題の「都市と都市」(ハヤカワ文庫)を読了した。


ベストSF2012 第1位、ヒューゴ賞、世界幻想文学大賞、その他あまたの賞を受賞した上、”このミステリーがすごい!2013年版[海外編]第7位にも食い込んでる謎作。


海外SFの翻訳と聞くと、とっつきにくい気持ちに駆られる方もいるかと思うが、私の読後の感想を短く述べるとすれば、


「ん~。。。これは凄いッ!!しかし、ややこしいっ!!」ってカンジである。


よくこんな奇想というか、奇作を描けるモンだと感心してしまう。


まあ一応SFではあるのだが、SF的要素よりもハードボイルド小説、警察小説、ミステリー小説と思って読んだ方が読みやすいのかも知れない。


時代は現代。ヨーロッパにある架空の都市国家「ベジェル」で一人の女学生が殺害される事件が発生し、警察のボルル警部補が捜査に乗り出す事となる…


と、ここまでの書き出しだけなら本当に警察小説、ミステリー小説のよくある導入部分なんだけれど。。。


問題は、この架空都市の特殊性で、このお膳立てがある為にSFジャンルである事を否定出来ない。


物語が進むにつれ、この架空都市が「二重都市」である事が明らかになって来る。


どういう事かというと、この場所は2つの都市国家が重複して同時に存在しているのである。


ひとつは「ベジェル」、ひとつは「ウル・コーマ」。二つの都市国家は同じ領域に同時に存在するというか、まだらに国境を内包しながらお互いに独立し存在している。


物凄くわかりにくいが、例えば都市の一角が「ベジェル」だとすると、次のブロックは「ウル・コーマ」で、お互いの通りが交差している交差点のような場所がいくつもある。


両都市国家の国民達は、幼い頃から特殊で厳しい訓練を受けていて、例えば同じ通りで途中から隣国の敷地だったとしたら、隣国の住民や建物、車等の視覚情報や聴覚情報を「見えていない」「聞こえていない」ものとして過ごさなくてはならない。


交差点のように両都市国家が交差する場所においても、ベジェルの住民にはウル・コーマの住人や車、建物が「見えていない」ものとして振る舞わねばならないし、ウル・コーマの住民にとってもベジェルの住人や車、建物は「見えていない」。

何も見えない、聞こえないものとして他国の人間や車は”見えないが自然に避ける”ものとして生活し、その禁を破ったら、重大な違反行為としてベジェルでもウル・コーマでも無いシステム維持機構の様な第3勢力(ブリーチ)によって超法規的に処罰される。


同じ領域内にまだらに2つの国家が混在して成立しているというのに、都市が交差する地点でベジェルの人間がウル・コーマの人間に話しかける事は禁じられている。

「見えないはずのものに話しかけられる筈が無い」ので、このような行為は犯罪とされ第3勢力によって重大な違反行為の対象となる。


ベジェルの人間がウル・コーマの人間を認識する事が許されるには、またはウル・コーマの人間がベジェルの人間に直接話しかけるには、互いの都市国家が共有する「コピュラ・ホール」と呼ばれる税関というか国境から他方へいったん「出国」してからで無ければコミュニケーションを取る事すら許されない。


こういった環境的背景だと、どのような事になるかというと、ベジェルの人間とウル・コーマの人間が正規の手続きを経て出国し、知り合う。お互いの住所を確認すると、数十メートルしか離れていない所にお互いの家があるが、どちらかがどちらかの国に入国したりしなければ、2人はお互いの事を全く知る事無く過ごす事となるし、お互い自国に居るのであれば、数十メートルしか離れていないのに、国際電話でないと話も出来ない…といった状況となる。


まさに”奇想”…。


よくもまあこんなクソややこしい背景を考えついたものだと思う。


そして皆さんもご想像の通り、こんな状況を小説の作中で説明しながら物語が進むものだから、本文は非常に把握し難く、頭が途中からこんがらがって来る。


この作品がもし映像化されたとしたら、果たしてどのような映像表現になるんだろうか…と想像してみたが、見ている側が物語が終了するまでに疲弊してしまう可能性が高いように思う。


ともかく、変わった、奇妙な、インパクトの強い独特な作品である事だけは約束出来るが、”面白いから、超おすすめ~♪”と素直に薦められないクソ面倒臭さも同時に感じた奇作だった。


私の拙い説明ではイマイチ伝わらなかったかも知れないので、最後にたぶん私の説明よりかは分かりやすい解説を含んだサイトを紹介しておく。


http://d.hatena.ne.jp/huyukiitoichi/20111228/1325081568


超薦めたりはしないが、興味があったら残暑の中、頭をぐらんぐらんに混乱させられながら読むのも一興かと思う。