安室奈美恵さん専門
振付ダンスサークル
MASQ
仕込みに励む劇団四季ならこんな感じ。
「シンバは崖で高い高いされたらそそくさと岩陰に入って全動物が盛り上がってるところが分かるように照明を白に切り替えて、ハクナマタタもスムーズに歌えるようにセンターにマイクを用意して、出ていく順に並んで袖で待機。歩いで出てくときは前の動物と90cmの間隔をキープ。」
こんな劇団四季なんて観たことがないけどあったらおもしろいね。
劇団仮面では年中こんなことばっかりやってるから楽しくてしょうがないのよ。
*
安室ちゃんのステージもバックステージもどうしたって安室ちゃんをメインに観がちだけど、あのライブステージは安室ちゃんだけでは成立してない。
ステージの下見と見積を取って各業者さんに連絡を連携するスタッフさんがいたり
現場には来ないけど大量の書類の手続きをするデスクさんがいたり
照明をセットして曲調に合わせたライティングができるようにプログラミングを重ねるテルミックさんがいたり
暗転中もバミったポジションにすぐ付けるように一工夫して貼る担当さんがいたり
イヤモニとマイクと会場のボリュームバランスを調整する音効さんがいたり
ここぞというときに銀テープが飛ばせるようにセットする特効さんがいたり
寄りと引きと見せ場と舞台のバランスを見ながら撮影するビデオグラファーさんがいたり
機材席のモニターをスイッチングするスイッチャーさんがいたり
2分で早替えできるようなヘアメイクと衣装を考えるビューティーさんがいたり
ケガのないように特注の板と釘をいれたブーツをCOMEXさんがつくったり
ステージと人数を活かしたステージングをつくるIZUMIさんがいたり
曲の世界観から湧き出る感性で振付をつくるコレオグラファーさんがいたり
個性を出しながらも世界観を統一する踊り方で安室ちゃんを引き立てるバックダンサーさんがいたり
すべてを管理する舞監のHIDESHIさんがいたり
セットリストをベストコンディションで迎えられるように体調管理しながら仕上げていく安室奈美恵さんがいたりして
あのステージがある。
これはほんの一例。
もっともっともっともっと・・・
言い出したらキリがないバックステージ。
こういった裏側の映像は特典でちょこっと流れたりクレジットに代表者の名前だけ掲載されるぐらいだけど1人1人がプロいお仕事をしてるんだから各セクションのDVDが欲しい。
裏もスポットライトを浴びるべきだもん。
***
2021/10/23
10:00~10:45
仕込み
10:00 L2

ロビーとスタジオを行き来してみんなの荷物を何度も運ぶRYOCHIN
PCのセットをしにいくSERI
モップでホコリを取るURARAちゃん
ホコリを察知して掃除機を取ってきたYAMA P
ポンポンつくりの準備をするNENEちゃん
JR切替工事に巻き込まれたAYAちゃん到着
人身事故に巻き込まれたSATOMIちゃん到着
TOMOYOちゃんは12:00にスタジオ入りなので7人で仕込んでいく。
仕込みエピソード2つ
①壊れかけのボタン
②エジソンのバミテ
***
①壊れかけのボタン
白いコードに繋がってる四角いやつがSATOMIちゃんから借りたポケットWiFi
奥の椅子にビニール袋をかけて「燃えるゴミ」って書いたのはURARAちゃん
SATOMIちゃんは到着するやいなやポケットWiFiをすぐに貸してくれた。
ネットには問題なく繋がったから接続テストはOKだったけど、ボタンの不具合でタッチパッドが思うように動かないことに気がつく。
なんでよ
こんな大事なときに操作できないなんてワニワニパニック。
S「ごめんAYAちゃん受付でマウス貸してもらえるか聞いてきてもらえr・・・」
A「わかったっ!!」
フライング気味に華麗に走り出してくれたAYAちゃん
その姿をバッチリ抑えてくれたNENEちゃん
残念ながらマウスの貸出はしてもらえなかった。
(そりゃそうだよ仕事で使ってるんだもん)
思うような操作はできなかったけどいじってるうちにデータ保管するには差し支えない範囲で動いてくれてSATOMIちゃんのポケットWiFiのおかげで配信も問題なさそうだったから一安心。
原因不明だけどどうやらタッチパッドのボタンが故障しててマウスを使う以外どうしようもないらしい。
次回は「安室ちゃんの衣装とか舞台照明に見えてくる光るマウス」を持参するね。
***
YUUさん
SHIKINOさん
RISAさん
MIKIさん
この5人の画がとても好き。
「バックダンサーさんに特化したブログはAmebaじゃなくて公式サイト内でやりたい」
って言ってもう2年経ったからそろそろやる。
MVで出てくるこのスプーンリレーとコップのロールオフをやることになったからスプーンとコップが必要になった。
こんなとき安室ちゃんやダンサーさんはMVをしっかり撮影することがお仕事だから小道具の調達を自分でやることはない。
現場に入ったらスタッフさんが用意してくれたセットがあるからあとはロールオフのカウントを練習する(んじゃないかな)
Showtimeは「どこの振りをどうやる?」っていう相談から始まって「2サビは洗濯機のお座り振りをやろう」「それならスプーンリレーもやろう」っていう感じで決まっていった。
でもこのMVみたいに長テーブルをスタジオに入れちゃうと出したり片付けたりすることもタイミングも難しいからエアテーブルに決定。
「スプーンはどのタイミングで持つ?」
「スプーンのあとお座り振りだから最初から椅子に仕込んでおく?」
「椅子の後ろに養生テープで貼り付けておこう」
「スプーンは家にあるから9/25リハで持ってくるね(U)」
「スプーンは10/23に持ってきてね(S)」
ってことで10/23の仕込みで7スプーンを回収。
「アルミを巻いてきてね」とは言わなかったのにほとんどのメンバーがアルミを家で巻いてきてたり
(現場でしかできないことに時間を使う意気込みを感じる)
「スプーン回収でーす」って声をかけたら3秒でスプーンを持ってきてくれたり
(すぐに出せるわかりやすいところに予めしまっておいたという計算済の仕込み)
こういうちょっとしたところに実はめちゃくちゃ感動&感謝してるんだけど手を動かしながら次の仕込みのことも考えてタイムスケジュールも管理してるから感じてることをなかなかその場でパッと言葉にできないことが多いんだよね。
心と脳に刻む想い出も好きだけど、思い出せたことをこうやって文字で永遠に残せるブログもいいよね。
URARAちゃんがバミリ紐に90cm感覚でバミリながら「進行表のコピーついでにコンビニでスプーンを買い足してくる。ゴミ袋もあったほうがいいよね」って言ってスタジオを出てった。
「そうそう、45ℓのゴミ袋持ってくるつもりだったのに忘れちゃったから助かる」みたいな会話をした気がする。
(「燃えるゴミ」がまさに買ってきてくれたやつ)
9/25で持ってきてくれたスプーンはいわゆるコンビニのオフホワイト1色だったからカラフルなスプーンが手元にきたことで「いま買い立てのスプーンだ」って分かった。
焼き芋とか肉まんとかじゃないから買い立てのスプーンとか言われても良さが出にくいけど、12:00にTOMOYOちゃんがスタジオ入りする前にスプーンを仕込むことになったから「7スプーンじゃなくて8スプーンあったほうがいいよね」という判断をしてくれたんじゃないかなと思っている。
カラフルスプーンにアルミを巻いて椅子の裏に貼り付ける作業をAYAちゃんと手分けした。
背もたれとお尻のとこに貼ってどっちが落ちにくいかテスト中
いざテストしているといろんなことがわかる。
S「アルミは養生がくっつきにくいから持ち手のとこだけ剥がそう」
A「スプーンのお尻のとこを出せばいいの?」
S「そうそう、プラスチックのほうが養生がつくはず」
A「持っちゃえば見えないから大丈夫だよね」
そんな話をしながらスプーンのお尻を次々と丸出しにしていったんだけどアルミがギッチギチに巻かれていて剥がすのが大変だったスプーンが1本だけあった。
S「この1本だけアルミが超丁寧に巻いてある。絶対RYOCHINのだな」
誰のかは定かではなかったけどこういうとこにも性格が出るからおもしろいよね。
バルーンの仕込みが終わったRYOCHINは養生テープのヘルプに入ってくれていた。
2020の経験がイケてるRYOCHIN
かれこれ1時間ぐらいポンポンを割いてくれてるYAMA PとNENEちゃん
去年はRYOCHINとNENEちゃんが「養生テープちぎり隊」だったから「2人体制でのちぎりかた」をよく知っている。
ちなみに「ちぎり隊」は「ちぎりたい(ちぎることを希望したい)」と、任務を遂行する「隊長」をミックスして勝手に呼び始めたけどセクションの振り分けは私の独断だから「ちぎりたい」って1mmも思ってなくてもちぎり隊に任命される。
***
③エジソンのバミテ

養生テープ(バミテ)を大中小に切って両端を折ってクリアファイルに貼るAYAちゃん
アルミが巻かれたShowtimeのスプーン
麺職人
エジソンのバミテエピソードの前に思い出したことがあるから伝えておこう。
【ヘアスタイル】
スタジオ日は好きなヘアスタイルとメイクでくるんだけど、AYAちゃんが髪をおろしてるのはレア。
いつもポニーテールでまとめているけど今日は長方形ブロッキングのおろしスタイル。
2020年は正方形ブロッキングのポニーテールだったから2021は髪を振り回すつもりなのかもしれない。
振り回したときに「このヘアセットでどれぐらい髪が顔にかかるか」の検証を今日やるつもりなのかもしれない。
NENEちゃんも巻きが取れないように三つ編みにしてさらにアップにしてきてたから「リハでおろして踊り終わってからどれぐらい巻きが残ってるか検証するんだろうなー」
なんて思ってたよ。
【エジソンのバミテ】
床材や壁に傷をつけないように養生テープ(ビニール・蓄光)でバミる「バミテ」
床材のリノリウムを張り合わせるときはミヨーンってなる素材の「リノテ」
こういう舞台の基礎知識とかなんもない素人が手探りでステージを創ることになった【MASQ LIVE STYLE 2017】
最初はいちいちちぎって手渡したり服に貼ったりしてたんだけどやってくうちに効率が悪いことに気がつくんだよね。
「予めいろんな大きさにちぎっておけばいいのでは?」
「でもちぎったやつどこに貼っておこう?」
「簡単に貼って剥がせる「なにか」はないか?」
そんなことを考えるようになり、家の中を見渡してみるとクリアファイルを発見。
貼って剥がすのテストしてみたら信じられないぐらいよかった。
リハや本番の荷物量は「海外旅行ですか?」状態だから衣装以外は場所を取らず軽量なものが望ましい。
「クリアファイルは我ながらでかした!」と思っていた翌年【MASQ LIVE STYLE 2018】で
「予めT字とL字と✕の形にしてクリアファイルに貼っておけばセンターと角とヘソにスムーズに貼れるのでは?」
の名案に辿り着く。
バミテの仕込み図

センターを「T字」、角を「L字」、ヘソを「✕」でバミることは高校時代のダンス大会の現場で学んだことだったけど卒業してからMASQを創立するまでダンスが中心のライフスタイルではなかったから「要領のいい仕込み方」なんてものは知らなかった。
2017年で「貼るのはよかったけど剥がすのが大変」を習得、
2018年は「両端を折っておくと貼るときも剥がすときもスムーズ」を発見。
そろそろエジソンにでもなれるんじゃないかと勘違いしていた数年後、私はついにエジソンになった。
テレビ業界で働くADさんがバミリをいろんな大きさにちぎったりT字L字にしてクリアファイルに貼っていたのだ。
「同じ仕込み方!」
さすがにエジソンでいいと思えた瞬間だった。
エジソンついでにもう1エジソン。
【MASQ LIVE STYLE 2018】ではステージの出ハケが階段だった。
出演中は光量の強い照明を浴びて暗転して移動するからほとんど何も見えない状態。
そんな中での階段昇降は危険を伴うから「暗転中でも階段が見える何かを仕込みたいな」と考えた結果、蓄光テープを階段のヘリに貼ることにした。
その数ヶ月後、足を運んだ安室ちゃんのFinal Space。
展示されていたステージセットの階段には蓄光テープが貼ってあった。
「同じ仕込み方!!」
私はついにエジソンになった。
プロと同じ仕込み方を2つもできてたなんてこれはもうエジソンでいいに決まってる。
***
10:00~10:45
45分押して仕込み完了
2020で仕込みを経験してるだけあって現場力がスーパーパワーアップしてたSHINEメンバー。









