安室奈美恵さん専門

振付ダンスサークル

MASQ

 

70曲目【Supernatural Love】



「ティリカティカティカ」と聞いて「テクマクマヤコン感」を感じたのですが、「分かるー!」という方はもれなく同世代です。

テクマクマヤコン系の変身よりも戦隊系の変身にワクワクするタイプだったもんでティリカティカティカは「なんだか女子っぽいキラキラした感じ」という印象でした。

そんなSupernatural Loveが収録されている安室奈美恵さんのアルバム「FEEL」は2013年に発売。

2013年はMASQ構想スタートの年。

高校時代の同級生と行ったカラオケで「Hands On Me」の本人映像を観ながら見よう見まねでハンゾミったのがきっかけでMASQが誕生したことはこのブログでもインスタでもリアルでも100万回ぐらい出てくる話だからそんなときはボイプッチャでよろしく。

今は安室奈美恵さんの振付ダンスナンバーを71曲コンプリートしているけど、何を隠そう、何も隠してはないけど、むしろダダ漏れだけど、Hands On Meが記念すべき1曲目のレッスン曲。

とは言え、2013年にMASQはまだ世の中に誕生していない。

MASQのオフィシャルオープンは2016年。

「MASQってものを世の中に誕生させて誰かに来てもらってレッスンを続けていくには何が必要か」

これを3年間独学で0から勉強してテストしてトライ&エラーを繰り返してたわけだけど、3年も仕事をしてないとやっぱりそのあたりは「ニート」という括りにはなってくるもんで、このとき自分の肩書きが決まった。

スーパーニートである。

ニートの中でもスーパー元気だしスーパーがんばるしスーパー考えるしスーパー行動するしスーパー挑戦するしスーパー結果を出すからただのニートなんかじゃいられなかった。

テクマクマヤコン世代なら知ってるであろう「天使なんかじゃない」とか「夢見る少女じゃいられない」とかの類で、「ニートなんかじゃいられない」のだった。

そんなスーパーニートの肩書きはラストLIVEである【MASQ LIVE STYLE 2018】まで背負っていて、LIVE当日はたくさんの素敵なプレゼントを頂いたのだけど、ベトナムから渋谷の会場にスタンド花が届いた。

 



ニートにスタンド花が届くなんてことがあるだろうか。

いくらスーパーニートとはいえ、とんでもないお祝いを頂いたのである。

スタンド花というのは安室奈美恵さんのLIVE会場にずらーっと並んでいるやたら豪勢で華やかなお祝いのお花のことで、誰からのお祝いか一目で分かるように「祝公演 安室奈美恵様 エイベックス代表取締役 松浦勝人より」みたいな形式でドーンとしたプラカードみたいなやつが刺さっている。

安室奈美恵さんのお祝花は錚々たる面々から贈られていて、エイベックスに始まりエスプリークの会社であるコーセーとかそういう、

 

「誰が見ても一目で分かるトップ企業」

 

が、これでもかと列を成している。

そういった並びに、これがあるのだ。


 

こんなの見たことない。

宛名書き「MASQ代表 スーパーニートSERI」

 

贈り主「ベトナムでぼ~っと住んでるYUMI」

このセンスと心意気はもはやエイベックスの隣に置かれてもいいぐらいの勢いがあった。

「2017のときもスタンド花にしたかったんだけど、今年はラストLIVEだから絶対やりたかったんだよね~」

このCRAZYなフレンドもハンゾミフレンドも高校の同級生で、この2人とは部活が一緒だった。

ダンス未経験の私が初めてダンスに触れたのが高校時代の部活で、卒業してからMASQでダンスを再開するまで15年ブランクがあったけどこの経験がなければMASQは世の中になかったからあのとき入部を決意した16歳の私にささやかな拍手をおくりたい。

MASQをスタートさせてからは1曲1曲が大切な楽曲ではあるけど、やっぱりHands On Meは特別な1曲。

Hands On Meが収録されているアルバム「FEEL」はSupernatural Loveを残してレッスン曲はコンプリートしていた。

レッスン曲を決めるときはいつもいろんな理由を考察して意味を持って決めていて、2020年も例外ではなかった。

2020年は感染症の影響もあって7月から本格的に再開。

7.8.9.10.11.12月の6曲は何をやろう?

こんなことを考え始めたのが6月。

ペンを走らせていると「2020」の「20」が「20周年」と繋がって見えてくるようになった。

そして「2020」を「20周年」として見るやいなや「2025」が「25周年」という見え方になった。

「25」という数字はみんなにとってもMASQにとっても大切な数字で、

 

この「25」が含まれている年が生きている間に経験できるのは「2025年しかない」ことに気が付いた。

1925年は生まれてないし、2125年は生きてない。

だから「2025年に何か特別なことをやりたい」という方向が固まった。

「そういえば、安室ちゃんは

 

『20周年のときに引退しようと思っていたけどできなかった』

 

『5年をかけて気持ちを整理した』

 

とインタビューで答えてたなぁ。20周年と25周年LIVEのセットリストに深い意味がありそうだなぁ。」

とセットリストを調べてみると、20周年と25周年のLIVEで同じ曲を入れていることが分かった。

きっと想い入れが強い曲に違いない。

それは何曲かあったけど、MASQがまだレッスンしていない曲は5曲だった。

それがこちらの5曲。

1 太陽のSEASON
2 Chase the Chance
3 a walk in the park
4 Don't wanna cry
5 Break It


7月から12月までのレッスン曲が一気に決まった。

7月   太陽のSEASON
8月   Chase the Chance
9月   a walk in the park
10月 Don't wanna cry
11月
12月 Break It


2020初めてオンラインレッスンの新体制を整えた「I wanna break 旧体制」の気持ちとしてBreak Itは12月に決定。

そこで、

 

「11月のレッスン曲は何にしようかな?」

 

と未レッスン曲一覧を眺めながら考え始める。

「2020年はオンラインという新体制になったスタートの年、2025年はフィニッシュの年と考えると2013年にスタートをきったFEELの未レッスン曲を選ぼうかなぁ」

という気持ちになってFEELの曲をチェックしたらSupernatural Loveを残して後のダンスナンバーはすべてレッスン済だった。

11月のレッスン曲はSupernatural Love、これでFEELはフルコンプリート。

7月から10月まではTHE安室奈美恵という感じの王道人気曲が続いていて、振付も当時っぽさのある感じだったから久しぶりに近代の振付にワクワクしていた。

何よりも「ティリカティカティカ」の振付をちゃんと観るタイミングがきたのだと感じた。

「ティリカティカティカの振付ってどんな感じなんだろう!!」

と思っていたのはFEELアルバムの初聴ですでにあった感情だった。

あのキャッチーなメロディーとリリック。

そしてテクマクマヤコン感。

「可愛い感じなんだろうな」

そう思っていた。

なんというか、お客さんも1回で覚えられるような、右手をパーにしてキラキラさせるような、なんだかそういった予想をしていた。

初めての曲を聴いたときはいつもなにかしらそういう「勝手な振付」が勝手にイメージされるから、そのイメージの振付と実際の振付がどうかってのをLIVE当日に確かめるという楽しみかたもあって、ティリカティカティカはそのうちの1つだった。

ちなみに

 

「この曲のここんとこ、こういう振付っぽい!」

 

と思って当たったことは過去に1度だけある。

宝くじで前後賞10億円を当てるのと同じぐらいの確率なはずなんだけど、

 

その曲が何だったかは忘れた。

すごいことでも感動したことでもなんでも大切なことを記憶の片隅に留めておけないのは今に始まったことではない。

たぶん記憶中枢の回線が何本かない。

そう、それでティリカティカティカの振付の答え合わせをしたのがFEELツアーだったわけだけど、

「えーーー!!そんな感じ?!」

っていう感情になったことだけは覚えている。

もっとキャッチーだと思ってた

もっとキャッチーな振りを期待してた


そう思ったのはたぶん、

「その場で安室ちゃんと一緒に踊りたかったから」

以外にない。

もっと細かく言うと、

 

「その場で一緒にティリカティカティカしたかったのにできなかった」

 

というとんでもないワガマママインドが炸裂したのである。

考えてもみれば安室ちゃんは

 

「アイドルって言われるのが嫌。」

 

という信念を持っているアーティストだからアイドルによくある


「みんな一緒に踊ろぉ?キャピ♪」

 

みたいな振付は確かにない。

あの日のハンゾミで痛感したけど、

 

「何やってるか全然わかんない。何度観てもわかんない。だけどめちゃくちゃカッコイイ」

 

これが安室奈美恵というアーティストの振付だった。

そうだったそうだった。

それなのにティリカティカティカをその場で一緒にやりたいだなんてとんでもない話よ。

「ティリカティカティカは腕を回している」

という印象だけがその日残った2013年から、2020年のレッスンが決まって振り起しをするまでの7年間はティリカティカティカを観てないのだけど、7年ブランクの末にSupernatural Loveの映像を観たらやっぱり腕を回していた。

7年前に客席から観ていたあの振りを、7年後になった今、実際にやってみるってなんかすごい。

腕を回してみた。

スーパーティリカティカティカだった。

完全なるティリカティカティカだった。

もうこれ以上ないというほどにティリカティカティカ感があった。

腕を回してみて初めて分かった。

「めちゃくちゃティリカティカティカしてる!!」

これはやっぱりやってみないと分からない感情で、やってみて得られる感動は計り知れない。

こんな想いがあってのレッスンだったことと、単純に曲調が好きなことと、ティリカティカティカ以外の振付も好きだったからいつも以上にティカティカ気分でスタジオに向かった。

*

レッスンに来てくれたのは3人。

体調不良キャンセルがあったものの、人数としては少なかった。

もちろん毎月1人でも来てくれるだけで感謝でいっぱいだし奇跡だし、この時期はすでにSHINE MORE MASQ 2020の準備期間がわりとパツパツになり始めた頃で、2週間後にBreak ItレッスンもあったからたぶんみんなBreak Itを選んでくれたんだと思う。

振付は2013年のFEELと2014年のLIVE STYLEがあったけど、やっぱりどの曲であっても初めてがあってこそのネクスト、という気持ちが強い上に今回はハンゾミとFEELアルバムコンプリートの気持ちから2013年をベースに振り起こしをしたんだよね。

まず、かわいい。

安室ちゃんが可愛いというのはもうなんていうか、

 

「冬のおでんって美味しいよね」

 

ぐらい当たり前のことだからあえて言葉にしないみたいなところがあるんだけど、安室ちゃんってLIVE中あんまり笑わないじゃない。

あれがあえてのパフォーマンスなのか、体力調整のためなのか、スーパーナチュラルなのか、なんなのかは定かではないけど、笑わないときのクールさと、笑ったときのキュートさのギャップにみんなK.O.なんだよね。

個人的にはノックダウンっていうよりは

 

「あ、笑った!楽しいんだ!安室ちゃん、この曲楽しいんだ!」

 

って感じる。

安室ちゃんは昔のテレビ番組とかだといろんな表情を見せていたし、おしゃべりからも「リアルな喜怒哀楽」ってのが感じ取れたけど、
いつからかそういうのを表に出さなくなったなーって。

だからLIVEで笑ってるのを見ると、

 

「絶対に楽しいと思っている保証100%あります」

 

みたいなのを感じられて、人間味があって、嬉しいのです。

Supernatural Loveはわりとスマイルでいてくれるから、こっちはその何倍ものスマイルになれる。

特に好きなスマイルポイントとしては、ハッシュハッシュハッシュあたり。

DVD収録日=ファンサ多め

ウィンクもガンガン飛ばすから撮影の意識は多少なりともあるんだろうけど、やっぱり感情が表情に出るのは個人的にはスーパーウェルカム。

*

振り覚えキーワードは今回そんなに出てこなかったなぁ。

わりと身体に入りやすい振りだったように思います。

サビに入る手前で伸びるところがあるんだけど、伸びるときの表現としてはだいたい「のびのびのびた」

野比のび太でもいい。

今回は「のびのびドン、のびのびドン」だったけど、この入り方が特殊というか。

文字だとスーパー分かりにくいのだけど、1×8をもっと細かくすると1×4で一区切りって感じなのね。

だから、

 

「のびのびドンうん」1×4

「のびのびドンうん」1×4

 

という区切りならスッキリなんだけど、

「のびのびドンのび」

こんな風に、後半の「のび」が前半の1×4の最後に入ってくるっていう、そういう特殊さがあるの。

あぁ文字では伝わらない。

でも伝えたい。

うーんとね、「あいうえお」が一区切りじゃない。

みんなそういう共通認識があるじゃない。

だけど、

 

「あいうえおか」

「きくけこさ」

 

みたいな「か行のフライング」みたいなことになってるの。

「『か』、そこに入っちゃうの!」

 

みたいな感覚。

これは安室ちゃんの振付タイミングあるあるなんだけど、あえてズラすことで深みが出てくる的な感じなのよ。

この深みの話をするとどうしてもm-floの話をしたくなるんだけど、m-floも安室ちゃんとたくさん関わりがあるから話すね。

例えば、「かーえーるーのーうーたーがー」って、1×8で、1カウントに1文字が割り当てられてるよね。

ズレがない。

だけど、m-floの名曲「come again」の歌詞である「金曜日のスカラに」で考えてみるとすごいことになってるのよ。

文字で言うと、「金曜日」の「きん」が「1」っていうのが通常の捉え方なんだけど、実際は「きんよう」が「8」に入っていて、「び」が「1」なの。

ねぇ、伝わってるかなこれ。

8 きんよう
1 び
2 の
   ス
3 カラ
4 に


ってことになってるの。

めちゃくちゃオシャレなの。

従来の音ハメ、カウントハメにすると

1 きん
2 よう
3 びの
4 スカラに

こういう感じなの。

かえるの歌をcome again風にすると、

8 よー
1 か
2 える
   の
3 うた
4 が

みたいなことなの。

そんな斬新なかえるの歌ないでしょ!

オシャレすぎでしょ!

みたいなことなんだよね。

それが「のびのびドンのび」

「次の『のび』を前に入れちゃうとか!オシャレすぎでしょ!」

ってことなんだけど、

太・野比のび太

恵・安室奈美恵


ってことなんだけど、

ねぇ、伝わってるかなこれ。

コレオグラファーさんどなたか分からなかったけど、素人ながらにこういう発見で楽しませてもらっていることを綴っておきたい。

あとは「この動き他の曲でやったことあるなぁ」が過去1番多く、過去2番目に振りの量が少ないと感じた曲でもありました。

アガりやすい曲ではあるけど、振りもアゲアゲでございます。

特にDメロ。

★チカ
言い方が合ってるのか分からないけど、逆ロールとかアンジュレーションかな。
1×4に2回ならまだしも4回入っちゃってるから難易度がすごくて、でもだからこその魅せ方で、他の曲ではまだやったことがない回数だったからすごくお気に入りのところだった。

速くなればなるほど(回数が増えれば増えるほど)、ロール感が薄れてインに見えがちになっちゃうから、いかにヒットとかインにならずにロールにするかってのが自分の中では課題で、あそこをキレイにロールできたらいいなーしたいなーっていう気持ちが強かった。

これができるようになるにはやっぱりアイソレーションをひたすら練習するしかなくて、やっぱり基礎ができなければなんの応用もできないし
基礎のフォームができなければすべてのフォームが崩れるし、変なクセがついたままだと直すのが大変だから改めて基礎をやらねばならんと思った。

楽しければそれでいいし、MASQはスキルを気にしなくていいところが最大の安心ポイントなんだけど、個人的にはいつだって成長したい。

★どーんちゅーうぉーりー
もーここはね、好き。
なんつーのかなぁ、狙った音ハメがわりと好きなのもあるかな。
そもそもは狙ってない振付ではあったんだけど、YUSUKEさんだけが人差し指で狙いを定めていて、その人差し指の存在感と存在意義が好きだったから「リスペクトを込めて差しちゃおう」ってことで差しました。
ドンワナに引き続き、指1本、爪の先までエネルギーが入るとすごいね。

★のーゆーうぉーみー(のーゆーうぉーみー)
( )のときにやる、腰振り。
アイソレーション。
好きすぎてアガっちゃって上半身を固定できないという始末だったけどよかった。

★ぅぁぁぁあああああいええええええええ!!!!!
説明不要。
ただね、歌を歌ってない、シャウトしないで踊るもんで「ここをどう表現しようか」と考えるしかないのです。
その結果がヘッドロール3回になりました。
キレッキレのヘッドロール4回は25周年のShowtimeまでとっておくのです。

★ちゅぅーん
下がって、上がって、跳ねる。
あの絶妙なマイクの振り上げと振り下ろし、あれはなんなんだ。

*

最初にダンサーさんたちが上手下手から出てきてスマイルでズンズン歩くんだけど、それがやりたくて、やってみたんだけど、できないのね。

あんなカッコよく歩けないの。

胸を張ってしっかりと歩けば歩けるもんだと思っていたんだけど、歩けないのね。

「え、歩けないとかあんの?」

ってびっくりよ。

だけど、その登場シーンをやりたくて、壁のあっちとこっちに分かれて上手と下手にスタンバイしたつもりでやったんだけど、もうこっからふざけたね。

回収開始。

 

回収については映像で観てもらったほうが断然分かりやすいです。

レッスンが終盤に差し掛かってくるとアドリブが始まりがち。

何をやるかとか決めてない。

そのときやってみて、やったものがそのまま定着したり変化したりする。

これがけっこう楽しい。

何がすごいって、なんにも知らされてないのに「あ、こうかな」みたいな憶測でみんなが動けるのがすごい。

察知能力が高いにもほどがある。

これ最初はよく分からなくても、毎回なにかしらが起きるからただそこに

 

「分からないけどノッてく」

 

ってのをしてるうちに、勝手にできるようになってる。

このみんなのアドリブ力を集めたら振り入れをしなくても1曲どうにかなったりするんじゃないかな。

ほんと最高。

*

ありがとうございました!(どんぴけらなんとかダーン!のところ)