このブログ、季節感も糞も無ぇ~なぁ~等と思いつつ。(笑)
まぁ、日記と銘打っておきながら、日記じゃないわけなんで、仕方ないですけど。
さて、前回は1906年(光武10年)10月26日『勅令第65号 土地家屋証明規則』を取り上げました。
その第8条に、外国人の土地建物関係の契約に対する証明は、日本理事官の査証を受けるという話がありました。
ってことで、今回はまず、それに基づく日本側の規則を取り上げようか、と。
それでは、アジア歴史資料センター『現行朝鮮総督府法規提要 第ニ編(レファレンスコード:A06032019600)』の430画像目より。
1906年(明治39年)11月『統令第42号 土地建物証明規則』。
●土地建物證明規則ああ、前回の条文だと分かりづらかったけど、郡守・府尹の証明→日本理事官の査証か。
明治39年11月統令第42号
土地建物証明規則、左の通定む。
第1條
土地又は建物を売買、贈与、交換し、又は典当と為したる場合に於て、其の当事者の一方が韓国臣民に非ずして、韓国勅令土地家屋証明規則に依り郡守又は府尹の証明を受けたるものは、更に理事官の査証を受くべし。
当事者の雙方が韓国臣民に非ざるときは、理事官の証明を受くることを得。
第2條
前條の査証及証明に付ては別に定むるものの外、韓国勅令土地家屋証明規則及法部令土地家屋証明規則施行細則の規定に従ふ。
但し、認証及手数料納付書に関するものは、此の限に在らず。
第3條
査証手数料は50銭とす。
第4條
理事官が査証を為したるときは、其の旨を郡守又は府尹に通知すべし。
理事官が証明を為す場合に於ては、土地建物証明台帳に記載すべき要項を、先づ郡守又は府尹に通知すべし。
附則
本規則は、明治39年12月1日より之を施行す。
で、その査証を受けたら郡守・府尹に通知という流れ。
双方が外国人の場合は、理事官はまず土地家屋証明簿の記載に必要な事項を郡守・府尹に通知して、その記載後に証明。
で、第2条の「別に定むるもの」はありませんので、基本的には査証や証明については土地家屋証明規則と施行細則の規定どおり。
査証手数料は50銭、と。
これが、前回の1906年(光武10年)10月26日『勅令第65号 土地家屋証明規則』と同様に、1906年(明治39年・光武10年)12月1日から施行されるわけです。
ってことで、規則の内容的にはこれで終わり。(笑)
さて、前回の『土地家屋証明規則』と今回の『土地建物証明規則』の制定が必要になった理由について、1906年(明治39年)7月23日の『韓国施政改善に関する協議会』に見ることができますので、それを『統監府文書1』から抜粋して見ておきましょう。
(前略)家族が勝手に家の権利証持ち出して売買や抵当に入れても、朝鮮の慣習では取り戻すことが出来るけど、外人相手だと慣習が通用しないってことですね。
伊藤統監
森林問題は暫く之を他日に譲り、茲に諸君に協議したきは土地に関する一問題なり。
尤茲に所謂土地なるものは、軍収用地又は鉄道敷地の謂にあらず。
韓人の私有地に関する問題なり。
是れ強て韓人のみを悪しと断ずべからず。
日本人も亦、全然其の罪なしとは言ひ難かるべしと信ずるも、聞く所によれば、韓人は往々地券を偽造して日本人に質入れ又は売買を為すの結果、真実の持主は、之を知らざる間に其の所有地が他人の有に帰したるが如きことありと云ふ。
尚又特許の如きも韓国に於ては其の制度紊乱し、宮中よりも政府よりも各種の内外人に之を与へ、甚しきは韓国の人夫の如きものに対してすら之を許すの状況なり。
然れども、特許問題は暫く之を措き、専ら私有地問題に就き協議せしに、土地を担保として日本人より借金を為す勿れと禁止することは到底不可能なるべく、又相当の理由なくして私有地の売買を禁止することも出来ざるべしと雖、責めて詐偽を予防するに足るべき方法は之を設けたれば存ず。
諸君の御高見如何。
此の時閔度相・李軍相・李内相等室の一隅に於て互に意見を交換したる後
閔度相
私有地の事に付き、我が国に於ては、古来左に開陳する如き習慣あり。
即ち、大家の子弟にして地券の家券を詐偽の手段に依り売買したる事実発見せば、其の大家の主人は無償にて其の土地を取戻すことを得たり。
而して、右の大家は概ね両班なるを以て、互に相警戒して斯かる災厄に遭遇せざる様力めたれば、今日の如く詐偽事件の起ることなかりしも、其の後外国人の本邦に来位するに及び、其の相手が外国人なるときは古来の慣例を踏襲する能はず。
隨て、今日の如き有様となりたるなり。
故に法律を以て之を禁止するの必要ありと信ずるに依り、梅博士に依頼して調査せしめては如可。
又特許権に関しては、従来種々の弊害ありたるを以て、政府に於て取扱ふ特許は必ず閣議に提出することとし、之に関する勅令案を起草したるが故、追て統監の高見に供したる上実施せんと欲す。
此の案に依れば、各部より許可したる特許は毎年5月31日を以て内閣に報告し、5年毎に之を摠括して一の完全なる報告書を調製する予定なり。
伊藤統監
斯の如き方法は無効なりと信ず。
1年と云ひ5年と云ふも事の起れる後の報告書は、決して特許の濫用を予防し得るものにあらず。
然れども、自分は茲に特許問題を議論せんとするものにあらざるか故に、是は別問題として他日に譲るべし。
要するに、特許は官衙と人民との関係なれば、政府に於て注意すれば之を取締るの方法なきにあらず。
然れども、質入売買は個人間の関係なるが故に、相当の方法を設けて之が制裁を附せざるべからず。
自分は是迄、韓国には地券なるもの無しとのみ思ひ居りたるに、聞く所に依れは矢張韓国にも之に代はるべき旧文件ある由なるに付き、売買質入の際は此の文件を郡守に提出し、其の正確なるや否を証明することとせば、偽造の弊害を予防することを得べし。
勿論郡守は、之か証明を為すに先だち、当該村落に就て調査するの要あるべし。
聞くが如くんば、各村には洞長ありて地券の正確なるや否は判明し居る由。
諸君にして幸に御同意あらば、郡守をして之が証明を為さしむることとし、若し此の証明を経ず、偽造券を担保として受取るとも其は当事者の損失に帰せしむることとし、統監府よりも亦此の如き法規を作りて、之を韓国に在留する日本人に公布すれば、此の弊を予防し得べきにあらずや。
各大臣
至極御名案なり。
而も本案は、最至急を要することと信ず。
閔度相
之に関する法律の起草は、梅博士の調査に付せしめては如何。
伊藤統監
今俄に綿密なる法律を作るも、郡守に於て之を施行すること難かるべし。
卑見に依れば、此の法律は至極簡単なるものにて可なりと信ず。
梅博士の調査は、永遠に瀰るの法律なるが故に最綿密なる調査を要すれども、本案は只目下の急に応ぜしめんとするに過ぎざるものなり。
李法相
本件は法部に於て為すべき事業なり。
甞て某会社の申請に依り、法部に於て之が予防法を講ぜんと目論見たることあり。
然るに、茲に考慮を要すべきは、郡の下に面なるものあり。
面の下に郷なるものあり。
面長又は郷長に於て速に其の手続を運べば可なりと雖、往々私怨の為に容易に証明を与へざることあるべし。
之が為、却て弊害を醸すの虞なきにあらず。
故に証明の期間を、例へば5日間と定め、此の期間に於て必ず証明をなすべき旨を法律に規定するの必要あるべし。
伊藤統監
法部大臣の説は御尤なり。
然れども、其は細目に入りての問題なり。
要するに、大体斯の如き方法を以てせば眼前の弊害は之を予防し得べしと愚考す。
諸君の高見如何哉。
李法相
大体上至極宜かるべしと思ふ。
尚、詳細なる手続に至ては、種々規定を要すべきものありと信ずるに依り、自分に於て之か起稿の任に当るべし。
伊藤統監
然らば左様致すべし。
此の時、国分書記官傍より、法相の説の如く相当の規定を設け置かざれば、却て種々の弊害を生ずるの虞あることを説明し、例へば郡守・面長・郷長等は当事者に対して何等私怨を挿むことなしとするも、当該村落が共同して日本人をして土地を所有せしむることを好まさる為、郷内又は親族に於て予め之を買収するが如きことを為し、時に排日的契定に陥ることなきを保せずと注意す。
伊藤統監
兎に角、本問題は懸案として御互に尚熟考致すべし。
李法相
兎も角も、法部に於て草案を起稿すべし。
(後略)
増して民法が存在しないわけで。
さらに偽造等の問題もあったり。
ってことで、詐欺・偽造による契約を予防するための制度が必要、と。
で、郡守等の証明を受ける事や、郡守等の事務遅延防止など、基本的な部分については既にこの時点で話し合われ、その後の協議会や梅謙次郎等との話し合いによって、最終的に前回のような形で発布へと至るのでした。
つうか、余談を話すとそれに食いついて横道に逸れるのを見ていると、エンコリの韓国人と変わらんなぁ、と。(笑)
余談の方が長くなりましたが、今日はここまで。
土地家屋証明規則