さて、『各国内政関係雑纂/韓国ノ部 第二巻/4 明治31年9月23日から明治31年10月30日(レファレンスコード:B03050003100)』は前回で終了しました。
さっさと先に進みましょう。

今日からは、『各国内政関係雑纂/韓国ノ部 第二巻/5 明治31年10月25日から明治31年11月26日(レファレンスコード:B03050003200)』に史料が移ります。
1898年(明治31年)10月29日発『電送第327号』から。

第118号

議政尹容善及軍部大臣署理リケンショウ(李健鐘?)の辞職聞届けられ、兪箕煥軍部署理大臣に任ぜらる。
8月4日のエントリーで、独立協会から免官運動されていた尹容善が辞職。
政府、弱!(笑)

猶、リケンショウについては不明。
李鍾健の誤りであるのか、実際そのような者が居て、史料に出てこないのか。
丹念に官報か、高宗実録を見ていけば分かると思うんだけど、流石にこれだけの事でそこまでする気力は無い。(笑)

続いて、韓国の利権譲渡関連の話題。
1898年(明治31年)10月25日付『機密第47号』より。

露国式部官来韓の用向

露国式部官ネポロジネフ氏、本月初旬当地に来り爾来露館に滞留中の処、去19日露公使同伴、韓帝に謁見致候節、陛下の左右を退け何事か秘密に内奏する所ありたる趣探知致候に付、右は必然何等内密の要件を帯び居るものと被認、内々其模様詮索中、去22日露公使書を外部大臣に致し、韓帝謁見の際密奏したる事項に関し覚書を提出し、之に対し聖意を確め、採納と否とを回答せられ度旨申送れりとの事。
然るに、右覚書は頗る秘密に附せられ、容易に入手の運に至らざるも、其要領は鉱山採掘に関する資本金を貸与し、且つ其聘に応じ、必要の技師をも派遣すべしと云ふにありとの事に有之。
依て、尚事実の真相を確かむる為め、国分通訳官をして宮内大臣閔丙奭氏に就き聞糺さしめ候処、同氏の答ふる所に拠れば、露国は、韓国政府の財政上国内各処に存在する鉱山採掘の必要を認め、即ち之を勧誘するの目的に出で、右採掘資本金の借用に応じ、且又必要の技師をも派遣して其聘用に応ぜしむべしと云ふにあり。
然るに皇帝陛下は之を以て外部大臣に下問せられたるに、其答奏によれば右露国式部官の要求を容るるは極めて不可なり。
程能く之を謝絶するに如かずとの意見にて、陛下の意、亦茲に全く拒絶に一決したるものの如し云々。
右にてネポロジネフ式部官来韓の用向は、一切明瞭致候得共、猶此上共同官の挙動に関しては充分注意相加へ、何等探問の次第も有之候はば、其都度御報告可致候。
此段、一先及報申候。
敬具
「露国は~勧誘するの目的に出で」ですので、ロシア側から言い出した事ですね。

1898年(明治31年)10月19日にロシア公使とロシア式部官ネポロジネフが高宗に謁見。
その際に、「韓国の財政上、鉱山採掘が必要じゃない?もしその気があるなら、金も貸すし、必要な技師も派遣するけど、どうよ?」と密奏。

1898年(明治31年)10月22日に、その事項について覚書を提出して、どうする?と。
これに対して高宗は、外部大臣に相談。
勿論、この時の外部大臣は朴斉純ですね。
彼の返事は、「ダメ、絶対!」と。(笑)
で、高宗は素直に容れて、拒絶することに決定した、と。

朴斉純が、単純に韓国の利権を他国に渡すことを拒絶したのか、それとも独立協会等の圧力を恐れたのかは不明ですけどね。

さて、続いての史料に移りましょう。
1898年(明治31年)11月5日発『電受第334号』より。

第119号

今朝、武官キンテイコン(金禎根?)警務使に任ぜらるるや、突然独立協会に対し、曩に勅諭に従はず今上を強迫したりとの理由を以て、会員の重もなる者13名を捕縛したり。
会長尹致昊は、変を聞き直に米国公使館に潜伏せり。
突然の修羅場キタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━!!!!!!!!!! (笑)

金禎根が警務使になった途端、独立協会が勅諭に従わず、また高宗を強迫したとして、会員の主な者13名を捕縛。
会長の尹致昊は、アメリカ公使館に潜伏。
「独立」協会だけど、アメリカ公使館へ逃げ込む。

尾崎豊
♪どの支配からの 独立~?

兎も角、勅諭が出たのは8月1日のエントリー8月3日のエントリーなんですが、この時は素直に解散しているようですし、8月4日のエントリーで力ずくだけではなく勅諭も出ての解散命令だったのか、それ以外の場面で勅諭無視があったのかは不明ですが、何となく口実臭い気はします。(笑)

また、これまでの動きが、高宗への強迫に当たっているようにも見えませんねぇ。
まぁ、第二次日韓協約を強迫によるものなどと言う韓国人にとっては、強迫なのかも知れませんが。(笑)

そして、この件に関する続報を1898年(明治31年)11月6日発『電受第335号』より。

第120号

独立協会員の警務庁に捕はるる者、総て19名。
其他の協会員数百名警務庁に押し寄せ、19名の会員を有罪と認めらるるに於ては、協会員は挙て罪人たらざるを得ず、故に■しく縛に就くべしと迫り、説諭に服せず徹夜其門前に嘯聚し、今猶ほ服せず。
一般の人民は、独立協会に同意を表する者多し。
市民も亦一同店を鎖じ、業を廃し、政府の反省を促せり。
一説に拠れば、今回の逮捕事件は、一昨日閔種黙・趙秉式等韓帝の密旨を帯び、露公使に就き此際政府は威力を以て独立協会を圧迫するも、列国の干渉を招くや否やを確かめたるに、露公使は若し之が為めに面倒を惹き起したる場合は、露国は充分の保護を与ふべしと答へたる由。
両人、陛下に復命するや、茲に独立協会の重もなる者を逮捕し、其他は解散せしむることと一決し、新たに警務使を任命し、直ちに之に着手せるものなりと云ふ。

昨日来、政府大臣等多くは更迭し、趙秉式参政兼法部大臣署理に、閔種黙外部大臣兼内部大臣署理に、朴斉純農商工部大臣に、閔泳綺度支大臣に、南廷哲参政に任ぜられたり。

今回の事件に付、露公使の行為に関し種々の浮説を為す者あり。
依て本官は、本日同公使に就き事実を確かめ、追て何分の義、電稟すべし。
結局、19人の独立協会員が逮捕。
しかし、その他の協会員数百名が大挙として警務庁に押し寄せ、「彼等が有罪なら俺等も有罪だ!逮捕しろ!」運動。(笑)
で、また徹夜デモ。
一般ピーポーは独立協会に同意を示し、市民も店を閉じて仕事せず、政府に「反省しろ」と。
政府の権威皆無ですな・・・。

一説には、今回の逮捕は、高宗が閔種黙・趙秉式などに密命を下して、ロシア公使に「独立協会をやっちまおうと思うんですが、列国の干渉を招きやすかねぇ。ゲヘッゲヘヘ」と伺いを立て、ロシア公使は「何かあったらケツ持ってやるよ」と。(笑)
で、事に至ったという話が出ているんですね。

この時のロシア公使が、マチュニンなのか、既にパブロフになってるのか不明。
ただ、7月24日のエントリーでマチュニンが、「時宜に依り、日露両国兵力を以て公然の干渉を試みんとするが如き私見を抱持」していた事から見て、韓国政府を支援しようとしたのはマチュニンの可能性が高いかな?
ただ、パブロフが就任当時のマチュニンと同じ私見に至る可能性も又高いわけで・・・。
「暴動」や「秩序崩壊」として捉えられた場合、どちらにしろそうなりますからねぇ。
要するに、独立協会やり過ぎ、と。(笑)
まぁ、飽くまで「一説には」ですけどね。


今日はこれまで。



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